不動産の基礎知識

2011-08-19

『新築市場の動向が、中古市場に与える影響』

皆様は投資用新築マンションの市場動向に注意を向けたことはございますか?

中古マンション投資をご検討の皆様ですと、当然、中古マンションに関する情

報収集には熱心だと思いますが、新築マンションの情報までウォッチしている

という方は少ないのではないでしょうか。

 

しかし、市場における新築マンションの供給と中古マンションの流通は車の両

輪のようなものですので、新築マンションに関する情報も重要になってきます。

以下に少しご紹介させていただきます。

 

「首都圏投資用マンション市場動向」 8/3㈱不動産経済研究所

 

■2010年1年間に発売された投資用マンション

・供給物件数:105物件(前年同期比▲13.9%)

・供給戸数:4,583戸(同▲10.2%)

・平均価格:2,397万円(同3.2%増)

・平方メートル単価:99万1,000円(同0.6%増)

 

■2011上期に発売された投資用マンション

・供給物件数:46物件(前年同期比▲19.3%)

・供給戸数:2,360戸(同▲5.6%)

・平均価格:2,419万円(同1.6%増)

・平方メートル単価:100万1,000円(同1.1%増)

 

この数字から読み取れる新築市場の動向は、

「供給戸数が減少して、価格が上昇している。」ということです。

 

供給戸数は、地価高騰や事業者の倒産・撤退が相次いだ結果、3年連続減少し

ています。

一方、平均価格も2009年の平均価格が2,322万円ですので、こちらも3年連続

上昇しています。

 

では、この新築市場動向が中古市場にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

まず、新築物件の供給が減少し、価格が上昇した結果、数年前から既に動きは

始まっていますが、新築購入層が利回りを求め中古市場へ流れてくるという現

象がより活発になってくることが考えられます。

⇒需要増

 

次に、新築を供給できなくなった販売会社が中古市場にシフトしてくることに

よって、供給面(中古物件の流通)でも活発化してきています。

ここ数年で、比較にならないほど中古販売会社は増加しました。

⇒供給増

 

そして上記のような動向が続くことによって、「不動産投資」という運用に注

目が集まることで、これまで株や投信など他の投資にしか興味がなかった層が、

関心を示すようになり、さらに中古市場の規模が拡大してきています。

 

実際に、リバックスがセミナーを始めた3年前は、中古マンションのセミナー

を開催している会社は2、3社程度でしたが、現在では毎週土日ともなれば、

都内でセミナーを開催している会社は数十社近くにまで増えています。

 

市場が拡大するのは喜ばしいことではありますが、数年前には全く想像できな

かったほどにライバル会社が増えました。

 

上述したように需要だけでなく供給も増えてきているため、今のところ価格上

昇という気配はあまり感じていません。

 

しかし、中古市場は限りのある市場ですので、このままのペースで需要増加傾

向が続いていくと、供給とのバランスが崩れ、数年後には価格上昇に向かって

いくのではないかと思っています。

 

「今が買い時です。」

 

いつもそう言うでしょ?と言う声が聞こえてきそうですが、都心の中古ワンル

ームマンションは、本当に今が買い時だと感じます。

それほどに市場拡大が止まらない状況なのです。

 

新築市場の動向から、かなり話を発展させてしまいましたが、このように、新

築の供給戸数や平均価格の推移から、中古市場に与える影響を考えることもで

きるのです。

 

リバックスは、単に物件を紹介するだけではなく、市場動向や業界動向などの

情報を発信しながら、状況に合った物件をご紹介していきたいと考えています。