不動産の基礎知識

2010-03-19

『測定不能!?新タワーが与える影響 その2』

昨年の9月に、このコラムで『東京スカイツリー』の情報をお伝えしました。

あれから半年経った現在、スカイツリーは完成時の634mの半分、318m

の高さにまでなりました。

前回のコラムで書いた計画当初の高さは610mでしたが、「世界一」「634

=武蔵」にこだわり、634mに変更されて建設が進んでいます。

完成すると、中国の広州タワーの618mを抜いて、電波塔としては世界一の

高さになります。

 

今後は3月下旬~4月上旬に東京タワーの333mを超えて日本一の高さにな

る見通しで、地上350mに第1展望台、同450mに第2展望台ができます。

第1展望台は3階建てで、展望ロビーのほかレストランやショップ等ができ、

第2展望台は2階建ての展望ロビーとなり、1階と2階を空中回廊で結ぶ予定

とのことです。

空中回廊はガラスで覆われていて、まるで空中を散歩しているような体験がで

きるようです。

 

墨田区が公表している「新タワーによる地域活性化等調査報告書」では、東京

スカイツリーへの来場者を年間552.4万人、東京スカイツリーに併設され

る商業施設等を含めた開発街区全体での来場者数を年間2,907.9万人と

試算しています。

その上で、新タワー及び街区来場者の消費による効果を、直接効果と間接効果

を含めて880億円としています。

 

この数字は一見とんでもない数のように思えますが、その兆候は既に表れてお

り、今月の7日には地元住民向けに現場で見学会が開かれ、約2000人がタ

ワーを見上げながら歩いたそうです。

また、スカイツリーの建設現場前に昨春オープンした見学施設には、既に3万

人超が来場しています。

 

阪急交通は九州発の東京ツアーにツリー現場を組み込み、はとバスも新コース

を設定するなど、スカイツリーを中心とした企画が次々に出てきていることを

考えると、ますます人が集まることになりそうです。

 

さらに、地元墨田区も一大プロジェクトを起爆剤にと意気込んでおり、「国際

観光都市すみだ」の実現を目指したまちづくりを計画しています。

その取り組みは5本の柱に分かれており、

「江戸から未来まで体験できる、多彩な「界隈」をつくる」

「多彩な資源を活かした「物語」のある回遊コースをつくる」

「来街者を優しく迎える「iのまち」をつくる」

「快適な歩行空間と交通ネットワークを整備する」

「四季折々の感動に出会える、イベント満載のまちにする」

というコンセプトのもと、観光都市づくりが進んでいます。

これだけでも、墨田区エリアがいかに変貌していくかが想像できると思います。

 

こういった内容を想像するだけでも、墨田区エリアの将来の姿がとても楽しみ

になってきます。

情報が更新され、プロジェクトがより具体的に実行されていくほどに、期待は

高まってきているのではないでしょうか。

 

その期待はもちろん、投資対象エリアとしてもです。

東京スカイツリーの開業が近づくにつれて、周辺の街がどのように変化してい

くのか、投資対象エリアとしての城東エリアがどのように喰い込んでいくのか、

賃貸需要はどのくらい上がっていくのか、まさに「予測不能」です。

これからますます目が離せませんね。