不動産の基礎知識

2009-11-06

『マンションの老朽化に関する考察 その2』

リバックスでは、多彩な講師陣をお招きしてセミナーを開催しています。

これは、不動産投資の手法において正解は一つだけではなく、いろいろなアプ

ローチの仕方があるのだな、ということをご来場者に感じていただくためです

が、実は先生方のお話はリバックスのメンバーにとっても、とても勉強になっ

ています。

 

本編の講演はもちろんのこと、お近づきになれてプラスアルファのお話が聞け

る、という開催会社の役得もあります。

 

先日は、不動産コンサルタントの長嶋修先生に初めてご登壇いただきました。

国土交通省や経済産業省の各種委員会の委員も歴任してきた長嶋先生は消費者

保護に立脚しており、時として私たち業者に襟を正すことを求め、また物件選

定においても厳しい目線を持っていらっしゃいます。

 

そんな長嶋先生に初めて講演いただくとあって、私たちも緊張してお話を拝聴

させていただきました。

 

タイトルも『人口減少時代に生き残る不動産投資』ということで、日本におけ

る総人口の現象といったマクロ面での課題や問題マンションの具体的事例とい

った厳しい指摘が予想通りありました。

 

しかしその一方で、だからこそ選ばれるエリアがあり、生き残る物件があると

いうメッセージを、長嶋先生のお話から感じました。

 

特に長嶋先生が提示したデータの中で、欧米の先進国では中古住宅の取引が新

築のそれよりもはるかに活発であること、一方日本においてはまったく逆で新

築偏重であること、また欧米は日本に比べ、はるかに長い年月で住宅を使用す

ること、といった部分については、中古マンションを取り扱うリバックスに対

するエールとして受け止めさせていただきました。

(長嶋先生、勝手な解釈でごめんなさい!)

 

確かに、マンション投資において老朽化にともなうパフォーマンスの低下をど

のように折り込んでいくかは、大変難しい問題です。

 

欧米のように建物をとても長く使う都市であれば、当然ながら立地の良い場所

には古い建物が既に建っており、新築はその外周部に広がっていくという傾向

がより鮮明になります。

 

そうすると『古い=安い、新しい=高い』といった単純な図式ではなくなって

くるわけです。

 

そして湧いてくるのが、一説には100年もの使用に耐えるのではないか、と言

われている日本のマンションが、ほんの5年、10年で大きく価格低下する現象

が果して正しいのか、という疑問です。

 

経年にともなうマンション価格の低下スピードは、もしかしたら単に指針が曖

昧で、使用の限界時期が明確でないため、減価償却制度の法定耐用年数に引き

ずられているのではないか、といった仮説も存在します。

 

このように、不動産において老朽化一つを見ても、売り手も買い手も納得でき

る適正価格の把握といった課題は、まだまだ今後もテーマであり続けると思い

ます。

 

それに関して、もし不動産の中で一番解決のゴールに近いものがあるとすれば、

投資の目線で多くの人に検証され続けるワンルームマンションではないかと考

えています。

 

そして、リバックスも透明で活発なワンルームマンションマーケットの構築に

貢献していきたいと思います。