不動産の基礎知識
2012-02-10
『真価が問われる!?繁忙期の賃貸管理会社の取り組み方』
『真価が問われる!?繁忙期の賃貸管理会社の取り組み方』
2月に入り、賃貸マーケットは繁忙期を迎えました。
東京、特に都心部の場合は、1年を通してお部屋探しをする単身者が途切れる
ことはありませんが、その動き方には大小の波があります。
大きな波の一つに9月から10月にかけての転勤シーズンがありますが、やは
り1月から始まり3月まで間断なく続く「メイン繁忙期」には別格のものがあ
ります。というのも、この時期は新しく部屋探しをしている入居者だけでなく、
賃貸契約の更新や解約をする件数も通常月の1.5倍~2倍のボリュームがあ
るからです。
お陰様で当グループの賃貸管理会社である㈱シイ・アイ・シーもご多分にもれ
ず、賃貸部だけでなく経理部から工事部まで、各部署とも朝から晩までてんや
わんやの大忙しです。毎年のことながら、この光景を間近に見ていると「東京
って人口の集中度合いが半端じゃないな」と改めて感じてしまいます。
この「メイン繁忙期」の入居者の中心となるのは、4月から東京の大学や短大、
各種専門学校等に入学する新入学生や、東京の企業に就職する新社会人の方々
です。彼ら(彼女ら)の中には、東京での新生活を快適かつ楽しく過ごすため
に相応しい新居を探すため、心血を注いで探し回る人も結構いらっしゃいます。
大学の推薦入学が決まった12月頃から部屋探しを始めて「すごく気に入った
部屋だから」ということで、実際に住み始めるのはまだまだ先なのに12月下
旬ごろから家賃を払って、来るべき新生活のために前もってお部屋を抑えてお
くという人もいるほどです。
もちろんこれは稀なケースで、大多数の新入学生や新社会人の方は、無駄な家
賃を支払いたくないため、入学式や入社式の少し前から新生活をスタートさせ
ようというスケジュールで動きます。
そうなると必然的に、3月の最終週から4月の第1週にかけての1~2週間に、
入居日(家賃発生日)が集中します。一方でお部屋を退去される方も同様に動
きますので、この期間賃貸マーケットはまさにピークを迎えます。
そして、この期間をいかにこなせるかが、賃貸管理会社の腕の見せ所なのです。
㈱シイ・アイ・シーでは、社内に工事部を設置し、退去日に専門スタッフが立
会える体制をとっているため、即日で原状回復負担割合の確定、見積りの作成
が可能です。これにより退去日から「6日以内で原状回復工事完了」という、
他社に負けないスピード仕上げを実現させています。
しかし、このピーク時にはその「6日間以内~」よりもタイトなスケジュール
が求められることもあります。
例えば、入居希望者から「○日に引っ越せないと間に合わない」という要望が
あり、その部屋の前入居者の退去日がその2日前だった場合などにも、「入居
日が合わないから」という理由だけで、お客様を逃すわけにはいかないため、
あらゆる手段を使い何とか間に合うように調整します。
また、このような急なオファーにも対応できるように、クリーニングの職人や
クロス(壁紙)張りの職人など、あらゆる関係者のスケジュールを繁忙期前か
ら根回しをして確保し、3月末からの数日間のために備えています。
「メイン繁忙期」は部屋探しをしている人も多いですが、同様に賃貸マーケッ
トには競合物件が溢れます。数ある競合物件の中から、「この部屋に住みたい」
とせっかく選ばれたのであれば、ちょっとした条件違いで入居者を逃してしま
うのは非常にもったいないことです。
覆せる可能性のある条件違いであれば、最大限の工夫、努力を持って改善し取
り込んでいく。このような姿勢で取り組めば繁忙期は上手く乗り越えることが
できます。
繁忙期は一年のうちで最も賃貸需要が見込めますので、オーナー様にとってこ
の期間内に賃貸が付くかどうかは重要問題です。賃貸管理会社としてはまさに
真価が問われる1~2週間と呼べるのではないでしょうか。