不動産市況
2015-06-26
流入するアジアマネー。不動産価格はどこまで上昇!?
住宅・不動産専門紙「住宅新報」の6月23日号に大見出しで、
『“バブル前夜”の様相も アジアの投資マネー、日本へ』と
銘打たれ、リーマンショック後低迷し続けてきた不動産価格が
再浮上してきたことへの特集が組まれていました。
いま、日本には海外からの資金、特にアジアの個人投資家の資金が
大量に流入しています。
2014年の海外企業による不動産投資額は1兆円で、前年比約3倍、
不動産取引全体の約20%を占め(日経新聞電子版15年1月12日付)、
14年の首都圏マンションの年間販売数は、前年比20.5%減となったものの、
平均価格は対前年比2.7%アップの5,060万円。
この5,060万円という数字こそ、92年のバブル末期5,066万円に匹敵する
5,000万円越えの価格であり(不動産経済研究所)、この価格上昇に一役
買っているのが、アジアの個人投資家、特に台湾・香港といった中華系
個人投資家です。
オリンピック開催で日本、特に東京に目が向いた事は言うまでもなく、
一時80円程だった円相場が125円まで振れている円安傾向と、
自国の不動産価格が高騰した事で、リーマンショックの影響を引きずり、
低迷している日本の不動産価格が割安に映ったのが要因のようですが、
単に割安だからというだけではなく、不動産の“質”も高く評価されて
いるようです。
何度かニュースで、中華圏の驚きの手抜き工事の実態を見たことがありますが、
杜撰な工事が常態化している中華圏の現状を考えると、日本の不動産への
評価が高くなるのもうなずけます。
また、建物の修繕に対する意識や交通の利便性、治安の良さなどを総合的に
見ても、日本の不動産はアジアの中では割安に映るようです。
では、この日本の不動産市場の過熱がどこまで続くのか?というのが
気になるところですが、野村総研の研究者は、「市況を予測する事は
これまで以上に難しくなりつつあるが、基本的に日本の不動産投資
にグローバルマネー、特にアジアマネーが流れ込む事は不可逆的で、
今後引く事はないだろう」と分析しています。
6月24日(木)、18年ぶりに日経平均株価が2万円を超え、
26日現在も引き続き2万円台を記録しています。
今後、日本の不動産がどこまで値上がりしていくのか予測はできません。
ニュースや雑誌などでは、現在の経済市況をバブル期と重ね
警戒心を強めている有識者もいます。
いま不動産投資に手を出すのは危ないのでは?
と考えている方もいるかもしれません。
たしかに、「いま不動産を購入しておけば近い将来高値で売れるのでは?」
という考えで安易に手を出すことは危険かもしれません。
しかし、マンション投資は“ローリスク・ローリターン”で長期的に安定収入
を生んでくれる投資手法です。このロジックから脱線することさえなければ、
どんな市況下でも安心してスタートできるのがマンション投資なのでは
ないでしょうか。