不動産の基礎知識

2015-04-24

マンション管理組合の最高意思決定機関【前編】

安定した収益を生んでくれるうえ、他の投資商品と比べ手間が

掛からないと謳われることの多い不動産投資ですが、全く手が

掛からないと言えばそれは嘘になります。

 

マンションの管理を委託してしまえばマンションオーナーとしての

実務をこなす事はほとんどありませんが、入居者の属性や家賃設定

は妥当なのか、毎月の家賃はしっかり口座に振り込まれているのか、

管理費・修繕積立金は正しく使われているのかなど、気にかけて

頂きたい事項は少なくありません。

 

そこで今回は、マンションオーナーが疎かにしがちな、

管理組合総会についてご説明させて頂きます。

 

管理組合総会には、毎年1回開催される「定時総会」と、

必要と認められる場合臨時に開催される「臨時総会」があります。

 

総会にきちんと出席されるマンションオーナーもいらっしゃいますが、

委任状で議決権を行使されるマンションオーナーが多いのが現状です。

 

では、実際に管理会社で開催されている総会ではどのような話し合い

が行われ、決定されているのでしょうか。

 

まず、総会開催前に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」

に基づき、建物管理会社の※管理業務主任者が、管理委託契約の内容

およびその履行に関する重要事項説明を行います。

 

※管理業務主任者

管理の前提となる管理委託契約の重要事項の説明から、委託した管理

業務の報告など行う国家資格者。国土交通省令で、建物管理会社の

事務所ごとに資格者の設置が義務づけられている。

 

総会における重要事項説明は、マンションを購入する際に宅地建物取引士

が説明をする重要事項説明をイメージして頂ければと思います。

 

管理組合総会では資格者が管理業務主任者証を提示して、管理事務

の内容や、管理費、修繕積立金の管理方法、管理委託業務費の内容、契約

の期間、更新、解除に関することなどを説明します。

 

この重要事項説明のあとに、総会が開催されます。

総会成立には議決権の過半数以上が必要です。

 

総会は理事長が議長を務め、議案に沿って報告し質疑応答などを行います。

建物管理会社の担当者も同席します。

 

○管理組合の基幹事務報告

決算書を参照し、管理組合の会計収支報告、管理費等の収納状況、

滞納者がいる場合の督促状況、諸費用の支払い状況、通帳や帳簿の

保管状況などを確認します。

 

○基幹事務以外の管理事務報告

管理員の勤務状況、清掃の実施状況、エレベーター、消防設備、

給水設備等の各設備の点検状況などを確認します。

 

○マンションの維持又は修繕に関する報告

長期修繕計画案、修繕の実施状況などを確認します。

 

さらに管理委託契約の締結、事業計画案の承認、

役員の選任などが行われます。

 

総会の決議は、「普通決議」と「特別決議」がありますので、

次週は『マンション管理組合の最高意思決定機関【後編】』

でその内容をみていきましょう。