不動産の基礎知識

2011-11-18

『これも補償の対象?意外と知らない火災保険』

日常生活において、皆様は様々な“保険”に加入されていると思いますが、

「詳しい商品内容や補償(保証、保障)範囲までは定かではない」という方も

多いかと思います。

 

オーナー様やご入居者が加入されている火災保険についても、契約内容の詳細

までは覚えていない方が多く、何か問題が生じた際にご相談やご質問をいただ

く機会が徐々に増えつつあります。

 

今回は、日常生活において事故等が発生した際に役立つ、意外と知らない火災

保険の補償内容について、当グループの賃貸管理会社であり保険代理店である

㈱シイ・アイ・シーが実際に取り扱った事例を交えながら説明します。

 

 

【入居者編】

賃貸でお住まいの方は、賃貸借契約の締結と同時に火災保険に加入されている

と思います。

 

補償内容としては、火災、盗難、水災、破損・汚損等の際の家財に対する補償

が主なものですが、それに加え、特約(借家人賠償特約・個人賠償特約など)

によって、日常生活での様々な事故においても以下のように補償されるケース

があります。

 

例えば、

■自転車で走行中に、路肩に駐車中の高級自動車に衝突してしまって、多額の

修理費用を請求されたケース

 

⇒「個人賠償特約」によって修理費用を全額カバー

 

■便器に誤ってプラスチック製品を流してしまい、深刻なトイレ詰まりを起こ

して便器から大量の水が溢れ出て、階下のご入居者の家財に深刻な被害が生じ

させてしまったケース

 

⇒「借家人賠償特約」によって、トイレの修理費用やフローリング張替費用を

はじめ、オーナー様や階下のご入居者への損失補償も含めて完全にカバー

 

 

【オーナー編】

オーナー様も、現金購入の方は任意ですが、ローンを組んで購入した方であれ

ば、各金融機関や販売会社等を代理店として火災保険に加入されていると思い

ます。

 

補償内容としては、火災、給排水管の破裂、風災(台風)、洪水等の万が一の

事故の際の建物への被害の修復に対しての補償が主なものです。

 

また、火災保険に「施設賠償責任担保特約(建物賠償責任担保特約)」を付帯

している場合は、建物や室内設備を原因とする、ご入居者(他の部屋の入居者

も含む)への被害の修復に対しての補償があります。

 

例えば、

■フローリング下の排水管が、冬季の凍結によって破裂して大量の水漏れ事故

が発生してしまい、階下のご入居者に甚大な被害を生じさせてしまったケース

 

⇒他のお部屋を含めた被害は保険金によってカバー

 

 

このように、思いもよらず緊急の出費になりかねない事故発生の際にも、建物

の火災保険で補償されるケースは多数あります。保険でカバーされるとは露知

らず、莫大な費用を自己負担で支払ってしまった、なんてケースはざらにあり

ますのでお気を付け下さい。

 

また、震災の影響もあり、ご自宅や投資用不動産の火災(地震)保険を最近見

直された方も多いと思いますが、保険会社は様々あり、その商品構成が複雑す

ぎるため、何となくは分かっていても、いざ具体的な事象が起きた際にどこま

で補償してもらえるのかを、ちゃんと把握されている方は少ないのではないで

しょうか。

 

万が一のリスクを最小限に抑えておくため、ご自身の加入されている火災保険

が、どのような補償内容なのか、どのような特約が付帯されているのかを一度

ゆっくりと保険証券等を確認されることをお勧めします。

 

また、当グループは各種損害保険の代理店をしておりますので、火災保険や地

震保険に関して疑問やご不明な点がありましたら、ぜひお気軽にご相談下さい。