不動産市況

2018-06-08

新築ワンルームマンションの供給戸数が中古不動産市況に与える影響

東京カンテイから2017年の

「首都圏 ワンルームマンション市況レポート」

が発表されました。

 

2012年以降減少傾向が続いている新築ワンルーム

マンションの2017年の供給戸数は、引き続き減少

を続け10,630戸。

 

供給エリアの郊外化も続いており、2015年には

23区内の供給戸数が78.1%だったのに対し、

2017年は65.5%でした。

 

それに対して千葉・埼玉が0.6%から3.2%、神奈川が

18%から27.2%、東京都下が3.3%から4.1%と、

供給エリアが東京から首都圏へ移っていることが分かります。

 

行政区別で見ても、上位5区が板橋区・江東区・足立区・

品川区・横浜市南区となっており、品川区以外は城東・

城北エリアがメインになっています。

 

駅別では北綾瀬・亀戸・阪東橋・立川・関内と、やはり

城東地区や横浜などの郊外がメインになっています。

 

平均価格も首都圏エリアでは2001年以降の上昇基調は

変わらず、2016年から2,700万円以上の価格と

なっているようです。

 

ただし、平均坪単価は374.4万円で2016年から

横ばいですので、より物件の専有面積が増えたと言えます。

 

バブル崩壊以降、一時的に都心エリアで供給が増えたタイミング

を除いては、ほぼ郊外エリアを中心とした供給が続いており、

新築の都心好立地での供給が難しいことが伺えます。

 

例えば、駅別1位の北綾瀬では平均価格2,117万円、

平均坪単価293.6万円となっていますが、港区では

平均価格4,011万円、平均坪単価522.2万円と、

同じ23区でも明確な格差が生まれています。

 

不動産価格上昇に伴う用地仕入の困難さや、円安による

建築コストの上昇、さらには行政側によるワンルーム

マンション規制など、新築物件の都心好立地での供給は

引き続き困難である事が予想されます。

 

もしこの状態が継続した場合、都心の供給状態を中古物件

も引き継ぎ、都心での中古築浅物件は激減する事が見込まれます。

 

当然、供給戸数が少ない年代に建てられた都心好立地の物件は、

その希少性から中古とは言え高値で取引されるでしょう。

 

そして、中古市場にはあと5年10年もすれば城東地区

や横浜、川崎などの中古物件がなだれ込んで来るはずです。

 

都心の築浅物件は流通数が少なく高値で、城東地区や横浜、

川崎は都心と比較して安価な価格で大量に流通し、購入者

の頭を悩ませる中古不動産市況になるかもしれません。

 

都心部の物件を購入したくても、城東地区や都下のエリア

から物件を選ばざる得ない可能性も大いにあります。

 

今後の見通しは不透明ですが、現段階の供給状況からすると、

都心部の中古物件の流通は鈍化し、選択の余地が狭まる可能性

は高いので、都心部の物件を検討されている方は、早めに動き

出した方が良いかもしれません。

 

また、城東地区や都下の物件が多く出回り、選択の余地が

狭まってしまった際には、都心の物件以上に物件周辺の

リサーチが重要となるでしょう。

 

参考程度となりますが、東洋経済オンラインで国勢調査の結果を

もとに「未婚単身者の男女比率の差が大きいエリア」を調査した

結果、男性は圧倒的に家賃の安い城東エリアに、女性は城南・

城西エリアに集中しています。

 

今後の流通状況によっては、都心部以外にも範囲を広めなければ、

物件自体手に入れる事が困難になる可能性があります。

 

その際には、都心部以上に入居者の動向をより細かくみて

行くことで、安心、安定して運用できる物件と出会う事が

出来るのではないでしょうか。

 

2018/6/22

「お客様からよく頂くQ&A!不動産価格はどうやって決まっている!?」

 

今回は、お客様からの質問が最も多い「不動産価格の設定」

について、解説を交えながらご紹介したいと思います。

 

「どうやって価格は決めているのですか?」

「この不動産価格は適正ですか?」

 

この質問、本当に良く頂きます。

 

金額が大きいだけに、その価格は本当に適正なのか、

法外な価格で売りつけられていないだろうか、と不安

になるのは当然です。

 

提示された価格が適正価格なのかをネットの査定サービス

などで判断される方もいらっしゃいますが、何を基準に価格

が設定されているのかも分からずにネット情報だけで判断する

のは危険です。

 

どのように価格が決められているのか、その過程を知った

うえで、査定サービスを活用するようにして下さい。

 

では、順を追って解説して行きます。

 

不動産価格は対象不動産によって計算方法が異なります。

 

新築マンションであれば、建築コストやエリアなどを

考慮し、建物を建てたデベロッパーが価格を決めます。

 

家賃も物件価格も中古と比較すると高く、利回りが低いため、

節税対策をメインに検討される方が多く見受けられます。

 

対して中古物件は、「収益還元法」という計算で算出されます。

 

対象の不動産から一定期間(通常は1年間で計算)得られる

であろう収益を、市場の相場利回りで割り戻すという計算式です。

 

例えば、賃料80,000円、物件周辺の相場利回りが4.7%

だとしましょう。計算式は下記の通りとなります。

 

80,000円×12か月÷4.7%=20,425,531円

 

この価格が「適正に近い」と考えられます。

 

「相場利回り何て素人に分かるの?」と思われるかもしれませんが、

相場利回りについては、ホームズの「見える!賃貸経営」を参考に

すると良いかもしれません。

 

気になるエリアを選択すれば、

「想定利回り」を確認する事ができます。

 

この適正価格に立地条件や需要を加味し、不動産会社で適正価格を

算出したら、次は金融機関に融資評価を依頼します。

 

実は、不動産価格は不動産会社だけで決めているわけではありません。

 

価格設定をする上で最も重要になって来るのが、

金融機関による融資評価です。

 

金融機関がその物件に対して、いくらまで融資可能かどうかも、

価格設定の基準になってきます。

 

先ほどの計算式で、適正価格が2,040万円だった物件を、

不動産会社が2,500万円で販売したいとしても、融資評価が

2,050万円だった場合、評価の出ていない残り450万円を

購入者が自己資金でカバーしないと購入できない、という事になります。

 

では、金融機関はどのように融資評価を出しているのでしょうか?

 

金融機関も同じく、収益還元法と立地条件などを加味して評価を

出していますが、想定利回りやその他の条件は、金融機関独自の

基準で算出されるため、不動産会社が算出した適正価格との間で

価格差が生まれます。

 

また、郊外の物件となると、そもそも融資評価をしない事がほとんどです。

 

投資家からすれば、「利回り高いのに!?」

と思われるかもしれませんが、利回りだけを基準にしてはいけません。

 

金融機関は総合的に判断をしています。

 

住みたい需要、買いたい需要が高い、人気のある場所なのか、

取引が活発に行われているのか、将来的に収益性は見込める

のか、などを総合的に判断し評価を出しています。

 

東京に人口が集中し、今後も増加が予測されている現代において、

郊外の物件は20年30年後の収益性が見込めないという判断です。

 

また、収益性が見込めないと言う点では、ファミリーマンション

も同等の判断がされています。

 

よく、「ファミリータイプとワンルームどちらが良いのでしょうか?」

「ファミリータイプの取り扱いはありますか?」というご質問も頂く

のですが、投資用不動産ローンを利用しての購入は難しいのが現状です。

 

賃料、利回りが高く、一度入居者が決まれば長く住んでもらえる

確率が高いため、ファミリータイプへの投資を検討される方も

いらっしゃいますが、このメリットが最大のリスクになるのが

ファミリータイプです。

 

入居が決まれば長く住んでもらえますが、一旦空室になると、

次の入居者が決まるまでかなりの時間を要する傾向にあります。

 

その間、家賃収入はゼロです。

 

ローンを組んで購入した場合、

長期の空室は大きな損失を被ることになります。

 

この空室リスクの高さを考慮し、投資用不動産ローンの対象外

としている金融機関が大半です。

 

セカンドハウスローンを利用しての購入は可能ですが、投資用

不動産ローンと比べ金利は高く、選択肢も少ないのであまり

おすすめは出来ません。

 

都心のワンルームであれば、融資評価も高く、多くの金融機関

が取り扱っていますので、選択の幅も広くとれます。

 

融資評価が高いという事は、それだけ収益性に優れ、

将来にわたって安定的に運用して行くことが期待できます。

 

この様に、売り手も買い手も売買しやすい価格設定をするにあたり、

金融機関の評価は非常に重要な役割を担っています。

 

現金で購入する場合はこの限りではありませんが、

ローンを利用しての購入は金融機関も間に入って

いますので、安心して取引して頂ければと思います。