不動産市況
2017-01-27
不動産市場が大きく変化した2016年!2017年の気になる賃貸市場動向
新年明けて早1ヵ月が過ぎようとしています。
昨年は不動産市場を取り巻く環境が、大きく変化した年と言えます。
賃貸マーケットでは相続税対策として、
賃貸アパートが大量に供給されました。
一方で、消費税増税が延期されたことで駆け込み需要が
期待できなくなった新築マンション市場は、春以降に
新規供給が急速に減少しました。
また、2月中旬には金融機関の資金を市中に向けさせるために
マイナス金利が導入され、10月には、緊急措置的に中古住宅の
若年層の購入についての補助金事業が公表されました。
12月上旬に概要が公表された税制改正大綱では、節税目的の
超高層階購入の対策として、タワーマンションの階層ごとに
課税率を変更することも盛り込まれました。
以上から読み取れる2016年に共通するキーワードは、「景気刺激策」
「中古住宅流通の活性化支援策」および「不動産購入に関する不公平
感の是正」といったところでしょうか。
このような不動産市場を取り巻く環境や制度の変化は、
安定推移を続ける東京の賃貸市場にも影響を及ぼしました。
特に大きな影響を受けたのは、ファミリータイプの賃貸料です。
2015年1月時点で東京23区の平均月額賃貸料は134,462円
(50平米換算の月額平均賃貸料:ホームズ調べ)でしたが、
2016年11月時点では169,992円にまで上昇しました。
上昇要因は、大手デベロッパーが新規分譲を控えた分、都心から近郊に
おいて自社で運営する賃貸物件を積極的に展開したこと、また相続税対策
として立地条件の良いエリアで賃貸物件を建設し、運用するケースが
増加したことなどにより、賃貸料が高水準である新規の賃貸物件の供給
が拡大し、平均賃貸料を押し上げたものと考えられます。
一方で、単身者向けの賃貸料は、2015年1月時点で東京23区の平均
月額賃貸料は89,696円(25平米換算の月額平均賃貸料:ホームズ調べ)
でしたが、2016年11月時点では90,110円と、わずかな上昇に留まり、
賃貸料相場は安定して推移しています。
これは、単身者向けはファミリータイプとは異なり、新規の供給が
増えてもエリア毎にほぼ相場が固まっていること、また需要が堅調
であることが要因として挙げられます。
駅別の単身者向け賃貸料のランキングは以下の通りとなります。
【東京都賃貸マンション駅別月額賃貸料ランキング】
(30平米未満/25平米換算賃貸料:ホームズ調べ)
1位 永田町 166,968円
2位 東京 147,011円
3位 赤坂見附 141,970円
4位 虎ノ門 137,438円
5位 新御茶ノ水 130,242円
6位 明治神宮前 129,452円
7位 日比谷 128,100円
8位 表参道 126,240円
9位 内幸町 126,007円
10位 恵比寿 123,148円
11位 赤坂 122,940円
12位 渋谷 122,820円
13位 青山一丁目 122,415円
14位 桜田門 121,951円
15位 麹町 121,646円
16位 麻布十番 120,559円
17位 六本木一丁目 119,254円
18位 六本木 118,994円
19位 代官山 118,920円
20位 溜池山王 118,752円
当然のことながら、都心1等地の駅名が上位を占めていますが、
人気の商業地もワンルームマンションとしては高い水準の賃貸料
を維持していることがお分かり頂けると思います。
ファミリータイプに比べ安定した賃貸料相場を形成している
ワンルームマンション市場は、賃貸料の予想を立てやすく、
投資商品として中長期にわたり安定した運用が可能なものに
なっています。
2017年も、単身者向け賃貸料に関して、
大きな変動要因はないものと予想されます。
2016年の不動産市場の変化を簡単に振り返りながら、
賃貸料の変化についてご説明しました。
これらを参考に、2017年のマンション投資の
一考にして頂ければ幸いです。