マンション投資の注意点

2017-02-10

区分と1棟で分散投資するなら融資条件は押さえるべき?!

「区分と1棟、どちらからスタートした方が良いのでしょうか?」

 

セミナー終了後の個別相談で、

このようなご質問を多々いただきます。

 

1棟物件の収益に魅力を感じつつも、

リスクの少ない中古区分マンションにも魅力を感じ

悩まれていらっしゃる方も少なくありません。

 

どのような投資手法でも言えることですが、投資をするからには、

利益を大きく取れる投資商品に魅力を感じるのは、当然だと思います。

 

また、

「1棟を購入した上でリスク分散のために区分も購入したい。」

というロードマップを描いていらっしゃる方もいれば、

「既に1棟を所有しているので、次は区分も検討したい。」

というお客様もいらっしゃいます。

 

しかし、既に1棟物件を所有されている場合は借入額が大きいため、

融資が下りないケースがほとんどです。

 

そこで今回は、『融資』の観点から、

区分と1棟どちらからスタートを切るべきなのか、

実例を交えて考察します。

 

- A様のケース -

年収:1,300万円  某自動車メーカー勤務

年齢:45歳

自宅借入:3,000万円

 

1棟に的を絞った物件選定を行い、実際に申込を入れたことも

あるそうですが、先に申込を入れていた方がいた様で、

購入することができなかったそうです。

 

そのような経緯から、弊社にご相談を頂いた時点では

まだ収益物件を所有されていませんでした。

 

お話しをお伺いしたところ、1棟はどうしても立地が郊外に

なってしまうため、1棟を購入後にリスク分散の意味も含めて、

都心の区分ワンルームマンションも検討したいとのことでした。

 

弊社としては『融資』の観点から、将来的に区分マンションを購入

するのであれば、先に区分マンションを購入することをおすすめ

させて頂きましたが、やはり1棟からスタートしたいとのことでした。

 

その後、東京近郊で1棟マンションの新築(1億2,000万円)を購入

され、区分マンションの検討を開始したい、とご連絡を頂きました。

 

早速金融機関に相談したところ、A様の借り入れは自宅と1棟マンション

併せて1億5,000万円の残債があるため、さらに区分の物件を購入となると、

(自宅:3,000万円)+(1棟:1億2,000万円)+(区分:2,000万円)=1億7,000万円

となり、年収の13倍の借入となるため、新規の融資は厳しいとのことでした。

 

A様は購入を断念せざるを得ませんでした。

 

- B様のケース -

 

年収:1,000万円 某光学機器メーカー勤務

年齢:56歳

自宅借入:1,000万円

投資用区分マンション6件:1億円

 

B様は52歳の時、弊社にて中古区分ワンルームマンションを購入され、

昨年6件目の物件を購入されたお客様です。

 

そして先日、1棟マンションを専門に取り扱う不動産会社から

関西圏の中古1棟マンション(30戸)を2億3,000万円で購入されました。

 

 

B様の借入状況はと言うと、6件目を購入された段階で年収の

10倍を超えていましたが、1棟マンションは某銀行でフルローン

の借入をし、合計3億4,000万円となり、年収の34倍を超えました。

 

なぜB様は購入できて、A様は購入できなかったのでしょうか。

この2つのケースを比較してみます。

 

属性だけみると、A様の属性の方が融資には有利なように見えます。

 

実は区分と1棟とでは、収支や利回りの違いだけではなく、

貸付を行う金融機関が違うこともあり、借入の基準が大きく異なります。

 

区分の場合は通常、年収に対して6~8倍、枠を多く取っている

金融機関であれば10倍~12倍位というのが現状です。

 

一方1棟に関しては、20倍~30倍位、某銀行の言葉を信じるのならば

40倍位まで枠を取っている金融機関もありますので、区分を所有

していたとしても、その枠内に収まる、ということなのです。

 

そのためA様は、1棟物件であれば購入できるかもしれませんが、

区分を購入することは現実的に不可能、というわけです。

 

前述したように当初のA様のお考えでは、郊外の1棟物件

を購入後、リスク分散の手段として都心の区分を購入する、

という計画でしたが、それを変更せざるを得なくなってしまいました。

 

かたやB様は、「年金プラス家賃収入で現在の月収を確保したい。」

という目的で区分マンションを増やして来ましたが、マンション投資

を実践しているうちに、収益性の高い1棟物件にも興味を持ちはじめ、

無事1棟マンションのオーナーになれました。

 

先日お会いした際には、このようなことをおっしゃっていました。

「成功かどうかは分からないけど、キャッシュフローを増やすこと

ができたので、計画の変更が成功したのかもしれません。」

 

A様も、はじめに都心の区分マンションを購入したうえで

1棟物件を購入していれば、都心の区分と郊外の1棟、

異なる性質の物件を両方保有する、という目標を

比較的簡単に達成できたかもしれません。

 

当然、1棟を先に購入したからと言って、必ずしも区分が

買えないというわけではありません。

 

お客様の属性や物件の価格によって、

購入の有無は変わってきます。

 

1棟と区分、どちらも購入を検討したいという方は、

計画的に物件の購入とローンの組み方を考える必要

がありますので、信頼できる不動産会社を見つけ、

コンサルティングを受けることをおすすめします。