不動産の基礎知識
2011-06-03
『欲張り過ぎは危険?利回り10%の裏側』
物件選定においてお客様からいただく条件は、価格帯やエリア、最寄り駅など
様々ですが、“高い利回り”というのもよくあるリクエストです。
これについては、預貯金などに比べ収益性が高いというのがマンション経営を
お勧めしているそもそもの理由の一つですので、私たちもまったく異論はあり
ません。
しかし、お客様の中には更に高い利回りを追求される方々もいらっしゃいます。
例えば『ターゲット利回り10%』というのもよく聞くお話です。
投資における数値的なターゲットとして、例えば株式などでも「1,000円
になったら売る」とか「500円を割ったら買う」といったようにザックリと、
切りの良い数字を使うのは自然なことだと思います。
中古ワンルーム投資でも、ご多分にもれず“1,000万円”と“10%”は
極めて多くの投資家の合言葉になっています(笑)
そもそも“目標数字”とは、なかなか到達しないことを意味します。
(当社の営業目標などもそうです。苦笑)
では、中古ワンルームマンションで10%物件が無いかと言われれば、そんな
ことはありません。他の条件と齟齬が無ければ、10%物件も結構な数で存在
します。
ただ、投資におけるリスクとリターンの関係は厳然としています。
10%物件のほとんどは、利回り以外の条件で気になる点がたくさんあるのが
普通ですし、だから10%なのだとも言えます。
また、そんな状況ですので10%物件はローンが付かないケースがほとんどで、
その際は全額現金での購入となることも忘れないでください。
このハイリスク・ハイリターンの原則とローンが使えないという2点につき、
十分に理解した上であれば10%物件狙いも戦略の一つだと思いますが、これ
を誤解して10%物件の方が資金回収も早く安全だなどと考えて選択すると、
おかしなことになります。
そのような物件は賃貸面などでも相当苦労することが容易に想像できますので、
そうなると10%も絵に描いた餅になってしまいます。
結局、大がかりなリフォームをしてコストがかかったり、それを自力で賄おう
として手間暇がかかったりでは、「手間がかからない」というワンルームマン
ション経営の大きなメリットを失うことになります。
そこで、ローンで購入の場合ですが、毎月の収支に着目したかたちにターゲッ
トの設定の仕方を少し変えてみるのも手だと思います。
つまり、毎月のあなたの支払うローン返済額と賃借人からもらう賃料とがどう
なっているか、ということです。
もし、その月次の収支が±0で均衡がとれているのなら、マンションが完全に
あなたのものになる、そのための毎月のローン返済を他人が払ってくれている
(もちろん賃借人は“使用”というメリットを享受していますが)、さらに1
万円のプラスであれば、お小遣いまで置いていってくれている、といったイメ
ージで捉えてみてはいかがでしょうか。
10%物件探しでカチカチに凝ってしまった肩の力がいくらか抜けて、そのお
小遣い部分が大きすぎるのは返って気持ち悪いな、なんかリスクがありそうだ
な、と思えてくるのではないでしょうか。
そして多分、その判断は正しいような気がしますし、私たちが概ね6~7%く
らいの物件をお勧めしている理由でもあります。
10%のハイリスク・ハイリターンの短期運用と、ミドルリスク・ミドルリタ
ーンの長期運用、皆様が安心して運用できるのではどちらでしょうか。
手間をかけず、冷や汗をかかず、仕事を続けながら不動産投資を始めたいとい
う方には、私たちは後者をお勧めしております。