不動産の基礎知識

2010-05-14

部屋探しで重視すること、妥協できること』

皆さんは投資用物件を検討する際に、どこにポイントを置いていますか?

立地、価格、管理状態などいろいろあると思いますが、おそらく賃貸需要が最

も気になる点ではないでしょうか。

 

賃貸需要か高いか、低いかは、実際に部屋を借りる賃借人に聞くのが一番の早

道です。今回はリクルートさんのホームページに

【賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査】

というとても参考になるアンケート結果があったのでご紹介します。

 

これは首都圏の賃貸住宅入居者(ひとり暮らし)に対して

『部屋探しで重視した条件』と『部屋探しで妥協した条件』

に関してのアンケートを取ったもので、入居者が何を求めて賃貸物件を探して、

何を妥協して実際に決断まで至ったのかがよくわかります。

 

まず、『部屋探しで重視した条件は?』という問いの結果ですが、

 

1位:家賃

2位:路線・駅

3位:駅からの距離

 

となっています。家賃がダントツの1位なのですが、これは当然の結果として、

2位、3位の結果から見るとやはり立地を重視しているのがよくわかります。

 

また、回答者の属性別の傾向をみると

 

男性は、通勤・通学時間や初期費用を重視 = 利便性と費用

女性は、面積、住戸の向きやセキュリティを重視 = 快適性と安全性

学生は、家賃が安く学校が近い = シンプルな条件のみでこだわりが強くない

 

となっています。

男性が仕事、女性が生活に優先順位を置いているのがよくわかります。

 

次に、『部屋探しで妥協した条件は?』という問いには

 

1位:築年数

2位:初期費用

3位:家賃

 

という結果が出ており、逆に、『妥協できない条件は?』という問いには

 

1位:立地・周辺環境

2位:通勤・通学時間

3位:路線・駅

 

という結果が出ています。

この結果から考えると、多少築年数が経っていても(新築に住みたいとは思う

けれど・・・)、多少家賃が高めでも(物件が気に入れば多少高くても・・・)、

入居者は「立地・周辺環境」「利便性」、つまり、住み場所に関しては譲りたく

ないということがわかります。

 

投資用物件を検討する際に、自分が住みたいかどうかで考える方がいらっしゃ

いますが、実際に住むのは10代後半から30代半ばくらいまでの方です。

アンケートに顕著に結果が出ていますし、当たり前のことであるとは思います

が、投資用物件を検討する際には、その物件が対象となる年代の人たちに人気

のあるエリアなのかどうかが最重要ポイントです。

 

そして次に、その物件のエリアや家賃、間取りなどの条件から、社会人、学生

どちらが対象となりやすいのか、また、男性と女性ならどちらに好まれるのか

などを考慮した上で、上記のアンケートを参考に物件の賃貸需要を精査してい

くことが重要です。

 

利回りを重視するあまり、一番重要な賃貸需要を軽視してしまう方がいますが、

安定した家賃(収入)があっての利回りです。

より空室率が少なく、安定した運用を考えられる物件を選ぶには、対象となる

入居者が何を求めて賃貸物件を探しているのか、ということを常に気にしなが

ら情報収集をする姿勢が大切になってきます。