不動産の基礎知識

2010-02-19

どっちを狙う?「住みたい街」と「住んでよかった街」』

東京ウォーカーの2/3号に掲載されていた、

東京の「住みたい街ランキング」・「住んでよかった街ランキング」

はご覧になりましたでしょうか?

 

それぞれ順位は以下のとおりで

 

【住みたい街ランキングTop10】

1位 吉祥寺

2位 自由が丘

3位 下北沢

4位 恵比寿

5位 中目黒

6位 目黒

7位 渋谷

8位 代官山

9位 中野

10位 新宿

 

【住んでよかった街ランキングTop10】

1位 吉祥寺

2位 中野

3位 池袋

4位 赤羽

5位 中目黒

6位 蒲田

7位 三軒茶屋

8位 下北沢

9位 高円寺

10位 阿佐ヶ谷

 

 

「住みたい街ランキング」は予想通りといいますか、昨年もトップの吉祥寺を

筆頭にブランド力の高い街が並んでいます。

毎年TOP10に名前を連ねる街ばかりで、ここ数年で特に目立った変化はありま

せん。

 

一方、「住んでよかった街ランキング」ですが、住みたい街のTOP10にもラン

クインしている吉祥寺、中野、中目黒、下北沢に加え、池袋、三軒茶屋、高円

寺、阿佐ヶ谷はある程度予想がつくところです。

しかし、4位の赤羽、6位の蒲田に関しては皆様も意外と思われるのではない

でしょうか。

 

おそらく赤羽・蒲田、この二つの意外な街がランクイン(しかも上位に)して

きたのは、以下のような理由が考えられるのではないかと思います。

 

・新宿、渋谷、池袋、品川、東京駅などのターミナル駅へのアクセスの良さ

・駅ビルや商店街がある程度充実している

・上記のような利便性、住みやすさの割に家賃が安い

 

本当は住みたい街ランキングに入ってくるような憧れの街に住みたいけれど、

この不景気で高い家賃を支払うのは厳しいため、多少都心部から離れても家賃

が安いエリアに住むという方が増えています。

実際ここ数年、都心部のワンルームで家賃が10万円を超えるような高額賃貸

物件は数カ月空室が続いたあげく、大幅に家賃を下げざるを得ないという話を

よく耳にします。

 

このような時代背景の影響で、赤羽、蒲田といったブランド力は低いけれど家

賃が安く、都心部へのアクセスが良くて駅前が適度に発展しているエリア(S

ランクやAランクとは言えないエリア)が、実際に住んでみてよかった街に選

ばれているのだと思います。

 

マンション経営は長期投資です。

20年、30年と所有していれば、景気が良い時も悪い時もあります。

投資物件を検討する場合、ブランド力があって家賃が高く取れている物件に魅

力を感じてしまいがちだと思います。

しかし長い目で見た場合、ブランド力が余りなくても、景気に左右されず、長

期間安定して家賃を取っていけるエリアの物件を選んだ方が安心できるかもし

れません。

 

「住みたい街」と「住んでよかった街」ランキング。

賃借人の理想と現実が垣間見られるちょっとしたデータですが、こうしたとこ

ろから時代の流れや賃借人のニーズなどを掴んでいけるかどうかが、マンショ

ン経営を成功へと導くカギになってくるのではないでしょうか。