不動産の基礎知識

2009-09-04

『穏やかな“テコの原理”が働く!不動産投資』

不動産に限らず投資の利益には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」

の2種類があります。

 

「キャピタルゲイン」とは投資元本の値上り益のことで、不動産を安く買い、

高く売って手元に利益が残れば、それが「キャピタルゲイン」です。

逆に売却損が出るような場合、「キャピタルロス」と言います。

 

「インカムゲイン」とは配当利益、つまり元本が生み出す果実のことで、不動

産投資で言えば地代や家賃収入が、これにあたります。

こちらは通常マイナスということは考えにくいので、「インカムロス」という

言葉は一般的ではありません。

また、それだけ「インカム」収入は安定的だとも言えます。

 

さらに、「キャピタルゲイン」や「インカムゲイン」といった投資利益を、

より効率的に獲得する手法として、「レバレッジを使った投資」というもの

があります。

 

「レバレッジ」とは、金融取引などにおけるテコの原理(少ない力で大きなも

のを動かすこと)の応用とも言うべき仕組みで、実際の投資資金以上の効果を

得る手法です。

投資において「レバレッジを使う」と言うとき、わずかな自己資金で大きな取

引を行うことを指します。

 

例えば、FX取引や株式の信用取引においては、証拠金あるいは保証金といっ

た名目で一定の現金を拠出すれば、その金額の数倍~数十倍のサイズの取引が

できます。

 

実はマンション投資におけるローンの活用も、この一種なのです。

 

2,000万円の現金を用意して2,000万円の物件を購入するのではなく、現金は

頭金の100万円だけ、残りはローンを利用して2,000万円のマンションを買う、

といったケースが該当します。

 

では、金融取引の「レバレッジ」も不動産取引(ローンの活用)の「レバレッ

ジ」も全く同じなのかというと、その効果や狙いにおいてかなり違いがあると

思います。

 

FX取引や株式の信用取引において、100万円の現金を拠出して2,000万円分

の取引をしたとします。

 

流動性、変動制の高いこれらの金融取引で、なお且つレバレッジがかかってい

るので、その勝ち負けが極端に出る投資の場合、目的は100%と言っていいくら

い「キャピタルゲイン」です。

 

2,000万円の投資ポジションが、+10%で2,200万円となり200万円儲かる、

といった具合です。

逆に-10%で200万円の損失は、拠出した資金の2倍に相当します。

(実際には、その前に追加資金の拠出または取引終了となります)

 

一方、100万円の頭金+ローンで2,000万円のマンション投資をする場合、この

2,000万円という価格が短期的に2,200万円になったり1,800万円になったりす

ることによって、勝負をつけようとしているわけではありません。

 

出すのは100万円だけで、2,000万円の部屋の貸し賃=「インカムゲイン」を

受取ることに主眼をおいています。

 

そして、マンション投資はローン金利を上回る家賃収入によって、元利金を安

定的・計画的に相殺させて、返済していく仕組みです。

 

中古マンションであれば、毎月の家賃収入で元利金を返済し、なお余りがある、

といったプラス収支でローンを組むことも比較的容易です。

 

また、「購入者」と「物件」という、二つの信用のもとに貸し付けが行われて

いるので、たとえ不動産市況が変動したとしても、追加担保の要請や突然の強

制決済などはありません。

 

したがって、レバレッジのかかった金融商品のように日々の値動きを気にする

必要もなく、落ち着いて資産を形成していくことができるのです。

 

もちろん、借金をするわけですからリスクが無いわけではありません。

ローンを組むことで生まれる代表的なリスクと言えば、「金利上昇リスク」が

挙げられますが、これはまた別の機会にお話したいと思います。

 

どんな投資においてもリスクは付き物です。

しかし今の時代、何もしないことの方がリスクと言っても過言ではありません。

肝心なことは、リスクについてきちんと学び、納得した上で投資を行うことだ

と私たちは考えます。