不動産の基礎知識

2014-03-07

【後編】本当に賃貸需要が安定している物件を探すには?

先週発行のメールマガジン『本当に賃貸需要が安定している物件を探すには?』

にて都心ワンルームマンションの主な借り手の前編をご説明致しましたが、

今回は後編についてお伝え致します。

※『本当に賃貸需要が安定している物件を探すには?』の項目は、2/28(金)

発行号のメルマガにて記載しております。

または弊社ホームページ上の「News&column」にてご確認ください。

 

④法人

一昔前までは、企業の豪華な独身寮などが話題になっていましたが、近年では

合理化の一環として独身寮や社宅を廃止する企業が多くなり、代わりに企業が

ワンルームマンションの借主になるケースが多くなりました。

 

借り方としては、企業が社宅などを斡旋する会社を経由して契約を行うケースや、

社員自身が気にいった部屋を会社に借りてもらうケース等々があげられます。

 

法人契約の一番の魅力は何と言っても、長期的な賃貸です。

入居者が転勤や退職等の理由で解約となる事もありますが、企業によっては

そのまま部屋を借り続けて、次の社員への社宅として使用したり、地方から

単身赴任をしてくる社員の為に契約をキープし続けるなど、法人契約にも様々

な需要と形態があります。

 

また法人契約は、”企業”が借り手ですので、家賃の滞納リスクが低い優良な入居者です。

借り手が大手企業であればなおさら安心です。退去の際のトラブルも少なく、賃料交渉

などもほとんど無いため、収入の安定感という点でも理想的な入居者と言えます。

 

但し、このような法人需要はどのようなエリアでもあるわけではありません。

都内でも企業が集まっているエリアや、そこへのアクセスに優れた場所、

そのエリア内でも住環境が良好である事など、極々一部のエリアにある需要になります。

 

⑤マンスリーマンション業者

現在急増している借り手がマンスリーマンション業者です。都心部の駅前など

でホテルを建てるより、現存するワンルームマンションの部屋を借りる方が、

設備投資を行わずに客室数を増やす事ができます。また撤退する際には、賃貸

契約を解除するだけで済むため、業者としては渡りに船なのが、ワンルーム

マンションとなります。

 

では、このようなマンスリーマンションはどのような人が借りるのでしょうか?

 

システム構築などで、中長期の常駐が必要なIT関連企業のエンジニアや、

受験シーズンに都内で複数の大学を受験するために上京して来た受験生、

医療設備の整った大学病院に入院する家族に付き添う家族の宿泊施設、

さらに最近では、離婚問題などで緊急避難的にマンスリーマンションに入居

する人などその需要は多岐にわたります。

 

部屋には、ベッド・テレビ・掃除機・洗濯機などが備えられているため、スーツ

ケースひとつで即日常生活がスタート出来るよう整えられており、すぐに生活

が始められるのが売りとなっています。

 

物件の立地によっては、新築時から1棟全体をマンスリー業者に貸し出してい

るケースもあり、5泊以上の宿泊であれば、ホテルに滞在するより安くなると謳

う業者が出てくるなど、今後も需要は安定していくと推察されます。

 

企業の本社や拠点が多く集まっている都心では、稼働率も非常に高い水準を維

持しており、その中でも特に需要の高い(稼働率の高い)部屋の場合は、マンスリー

業者としても手放したくないようで、通常は2年の契約が主の賃貸期間を5年で

借り上げるケースもあるようです。

 

また、原状回復に関しても細かく決められており、一般の賃貸よりも法人契約

同様に退去時のトラブルが少ない優良な借り手と言えます。但し、原状回復が

事細かに決められている為、退去時の鍵交換費用等の負担について、

貸主・借主どちらの負担になるのか、しっかりと確認が必要です。

 

⑥SOHO

Small Office/Home Officeの略で、一般には『パソコンなどの情報通信機器

を利用して、小さなオフィスや自宅兼用のオフィスでビジネスを行っている事

業者』の事を指します。

 

SEやプログラマー、翻訳家などが、主な職種となります。借りているワンルーム

マンションの一室で仕事を行い、クライアントとの打合せなどは喫茶店などを利用し、

出来上がったデータなどはPCや郵送でやりとりをしながら仕事をしている人たちの

事を指します。

 

中央区や千代田区、新宿区、渋谷区などでは、会社の住所がワンルームマンシ

ョンの1室になっている事もめずらしくはありません。レンタルオフィスと違い、

完全に外部と遮断された環境でかつ、レンタルオフィスと違い1か月の家賃が

10万円以下で借りられるため、起業したばかりの人にとってはお手頃な

オフィスとなっております。

 

また、仕事で家に帰れず何日も泊まる日が続いたとしても、部屋にお風呂がつ

いているので、常に自分のタイミングでリフレッシュできるという点や、高速の

ネット環境・都心駅近という住環境に加えて、建物の作りがコンクリート造な

ので、静かなオフィス環境が実現できるワンルームマンションは、SOHOに

とって重宝されています。

 

但し、倒産して家賃が取れなくなる可能性もありますので、しっかりとした保

証人や、退去トラブルに強い保証会社の利用が必須となります。

 

以上、6通りの入居者層を2週にわたり検証してきましたが、ワンルームマン

ションには、仮住まいとしてや再スタートの為の拠点などその他にも様々な需

要があります。

 

そして、需要と言ってもそれぞれに特性があり、さらに細分化して見て行く事で

賃貸需要を想定する事が可能となるうえ、特性にプラスしてエリアに合った家賃

相場やグレードの不動産を選ぶことで空室リスクの回避にもつながって行きます。

 

物件選定の際には是非ご参考にしてください。。