マンション投資のポイント
2016-05-20
利回りだけじゃない!?築浅物件と築古物件の収支は購入方法次第!
先日、セミナー後の個別相談でこのようなご質問を頂きました。
「築浅物件と築古物件、どちらを購入するべきでしょうか?」
一般的に、築浅物件は居室が広めで設備も充実している分、
価格が高額で利回りが低く、築古物件は価格が安価な分、
利回りは高くなりますが、居室は狭めで設備が劣ります。
この一般論だけでそれぞれの特徴を捉えると、
どちらの物件を購入するべきなのかを悩むのは当然だと思います。
そこで今回は、築浅と築古ともにローンを利用して購入した場合と、
築古は現金で、築浅はそれ相当の自己資金を投下した場合とで、
収支にどれくらいの差が出るのかを切り口に、それぞれの特徴を
捉えていきたいと思います。
新宿区のなかでも特に人気のある、神楽坂周辺に立地する
物件A(築古)と物件B(築浅)で比較してみます。
物件A(仲介)——————————————-
昭和63年築 ・ 19.25㎡ ・ 3点ユニット
家賃 :60,000円
管理費 :8,380円
積立金 :5,590円
物件価格:11,000,000円
表面利回:6.54%
実質利回:5.02%(管理費・積立金のみ控除)
——————————————————–
物件B(売主)——————————————-
平成15年築 ・ 23.83㎡ ・ 風呂トイレ別 ・ 独立洗面台付
家賃 :102,000円
管理費 : 7,000円
積立金 : 1,400円
その他 : 1,050円(インターネットサービス費)
物件価格:24,000,000円
表面利回:5.10%
実質利回:4.62%(管理費・積立金・その他のみ控除)
——————————————————–
まず、AとBそれぞれローンを組んで購入したとします。
物件Aは築28年の仲介物件ですので、
利用できる金融機関がかなり限られてしまいます。
今回はそのなかでも、融資期間が比較的長期で組める
金融機関で計算してみます。
物件A(仲介)——————————————-
(ローン条件)
融資期間:27年
金利 :2.85%
融資金額:10,900,000円
(自己資金)
頭金 :100,000円
登記費用等:400,000円
仲介手数料:421,200円
合計 :921,200円
毎月の返済額: 48,267円
手取家賃 : 46,030円
毎月の収支 :▲2,237円
——————————————————–
物件Bは築浅物件の売主物件ですので、
金融機関の選択肢が幅広く取れます。
今回は、金利の一番低い金融機関で計算してみます。
物件B(売主)——————————————-
(ローン条件)
融資期間:35年
金利 :1.69%
融資金額:23,900,000円
(自己資金)
頭金 :100,000円
登記費用等:500,000円
合計 :600,000円
毎月の返済額:75,422円
手取家賃 :92,550円
毎月の収支 :17,128円
——————————————————–
AとBの収支を見比べてみると、毎月19,365円、
年間232,380円、利回りが低いBの収支がAを上回りました。
なぜこのような結果になるのでしょうか。
実はこれ、融資を受ける金融機関からの調達資金が起因しています。
築古物件に比べ築浅物件は、融資期間を長く組めるうえに、
金利は1%以上も低金利で融資を受けることができるので、
月々の返済額を抑えられ、収支が良い状態で所有できているのです。
次に、物件Aを現金で購入する場合と、それと同額の現金を
利用して物件Bをローンで購入する場合とを比較してみます。
物件A(仲介)——————————————
物件価格 :11,000,000円
登記費用 : 200,000円
仲介手数料: 421,200円
合計費用 :11,621,200円
手取家賃 : 46,030円
——————————————————–
使った自己資金、11,621,200円に対する手取家賃の年間利回りは
4.75%(46,030円×12ヶ月÷11,621,200円×100)です。
物件B(売主)——————————————
11,621,200円-500,000円(登記費用)=11,121,200円
1,110万円を頭金として、1,290万円のローンを組んだとします。
毎月の返済額:40,709円
手取家賃: 92,550円
毎月の収支: 51,841円
——————————————————–
使った自己資金に対する年間利回りは
5.35%(51,841円×12ヶ月÷11,621,200円×100)です。
こちらの試算でも、Bの利回りの方が高くなりました。
今回は現在売りに出ている仲介物件と、当社で過去に販売した
売主物件を比較してみましたが、全ての物件が上記計算の
ようになるわけではありません
しかし、物件の購入形態や使う自己資金、資金の調達方法などに
よっては、利回りが収支面でアドバンテージを持つとは限りません。
状況次第では、利回りの低い物件であったとしても、
結果的には良い収支が出る可能性は十分にあります。
融資を利用して物件の購入を考えられる方は、使える金融機関や
使える自己資金、それに対してどのくらいの収支が出てくるのかを
含めて、十分に検討をしたうえで物件選定をされてはいかかでしょうか。