マンション投資の注意点
2014-08-22
仕入担当者が見た!こんな物件にはご注意を
うだるような暑さが続いたと思ったら突然の豪雨に見舞われたりと
不安定な天候が続いていますが皆様いかがおすごしでしょうか。
物件視察のために日々都内を奔走している我々は、
この暑さに辟易とさせられています。
担当一人につき一日5件以上は視察に行くため、戻って来る頃には汗だくだく。
デスクワークに戻るのが躊躇われるぐらいです。
しかし、この業務を怠ると後々のトラブルに繋がり兼ねません。
つい先日も、暑さに負けず物件を視察に行ったところ、
とんでもない物件と遭遇しましたのでご紹介いたします。
検討対象物件:某有名ブランドマンション
エリア:新宿エリア界隈
築年数:10年前後
非公開物件として当社に情報が届いた段階では「建物管理会社調査中」
という事でしたが、過去に仕入れを行っている某有名ブランドマンション
だったため、いつもと同じ管理会社であれば特に問題は無いだろうと考え
状況確認を行うべく現地調査に赴きました。
到着した瞬間「エッ!?嘘でしょ?」とつい声が出てしまうほどの状態でした。
エントランス周辺の床や壁は汚れが酷く、照明器具もカバーが壊れてそのまま
放置状態、タイル目地からは広い範囲でコーキング剤がただれてしまい、全体
的に清掃が行き届いておらず、とにかく『汚い』という状態でした。
そして極め付けは『鳩』。
ある部屋のバルコニーには何匹もの鳩が止まり、鳩の休憩場と化していました。
気になったのは、やはり臭いです。この状況を入居希望者が目の当たりにしたら
どう思うでしょうか。恐らく、鳩が止まっている部屋のバルコニーは見るに堪え
ない状況になっているでしょう。
建物管理会社がいつもと違うのかなと思い、管理人室の窓口で管理会社を確認
してみると、聞いた事のない管理会社が表示されていました。
この状態では仕入れを進めていくのは難しいと判断しましたが、今後の参考
になればと思い、重要事項に係わる調査報告書で内容確認を行いました。
修繕積立金の積立て不足、マンション全体での管理費・修繕積立金の滞納額が
非常に大きく、健全な管理が行われていない状態でした。
管理会社が変わるとここまで管理状態が変わってしまう
ものなのかと衝撃を受けました。
念のため金融機関にも確認を取ってみましたが、やはり融資NGという回答。
大手の建物管理会社(大京リアルド、日本ハウズイングなど)であれば、
前述したような杜撰な管理をしている事はほとんどありませんが、有限
会社や規模の小さい会社、過去にトラブルを起こしている会社などが管
理を行っている場合、金融機関は建物管理会社を調べ、その結果、融資
対象外として融資を行わない事があります。
有限会社や規模の小さい会社が必ずしも杜撰な管理を行っているわけでは
ありませんが、そもそも不動産投資とは長期に渡ってその不動産を運用
し収益を上げていく投資手法です。
そのため金融機関は、融資対象物件の資産価値を下げる危険性のある管理会社
が対象物件を管理している場合には、融資をしない傾向にあります。
またこの物件のように、積立金不足やマンション全体の滞納額が大きくなれば
なるほど、建物を維持管理していくための資金が蓄えられていないという状況
ですので、大規模修繕工事を行うために金融機関から資金を借入たり、
各区分所有者(オーナー)から一時金を徴収するという事も考えられます。
物件選定を行う際には対象物件の管理会社がどこなのか、健全な管理が行われ
ているのか、現地へ赴きご自身の目で物件を確認し購入の有無を判断して頂き
たいと思います。
市場には管理状態の粗悪な物件や、管理会社自体で金融機関のNGを受けて
しまう物件が多く出回っていますので、収益性や利回りだけではなく、
「管理会社の見極め」を「長期修繕計画書」や「重要事項に係わる調査報告書」
といった資料をもとに、各項目の内容をしっかり確認して見極めてください。
※当社ホームページ上には、実際の写真も掲載しておりますので是非ご覧ください。