不動産の基礎知識
2011-07-01
『ローンを組んでまで投資用マンションを買う意味は?【後編】』 ~どちらがアリで、どちらがキリギリスなのか?~
投資用マンションの購入資金としてローンを組む理由は「自己資金が無くても
すぐ買えるから」だけなのでしょうか?
前回に続き、今回は現金購入と比較した場合の「時間的メリット」について、
また投資用マンションのローンは安全なのか、ということをお話したいと思い
ます。
■現金購入のAさんと、ローン購入のBさん
例えば、価格1500万円の中古マンションを、Aさんは現金で、Bさんはローンで
購入する場合を考えてみます。
前提条件としてAさん・Bさんともに、以下のように設定します。
・スタート資金は200万円
・マンションのために貯金できる資金は年間100万円
・手取り家賃収入は月7.5万円(家賃から管理費等を差し引いたもの)
※減額または増額しないものとする
・ローン金利は2.7%
(当社提携金融機関の投資用住宅ローン2011年7月適用金利の近似値。年利。)
なお、ローン金利は変動しないものとし、銀行の方には怒られそうですが、預
金の金利は考えないものとします。
■最初の13年間では
Aさんは現金で購入します。
ローンの利息を払うのは何とももったいなく、ローンを組むことにも抵抗があ
ったからです。スタート資金が200万円なので、購入できるのは不足資金1300万円
が貯まる13年後です。
しかし、そこからスタート後は月7.5万円の家賃収入が手元に入り、年間90万円
の収入となります。
一方、Bさんはローンを使ってすぐに購入することにしました。
自己資金200万円で、残り1300万円のローンを借入期間35年で組むと、月々の支払
額は概算で47,879円です。
これを手取り家賃7.5万円から差し引くと、手元に残るのは27,121円ですから、12ヶ
月では325,452円の収入となります。
Aさんが現金購入する13年後、Bさんの手元には家賃収入が約420万円貯まり、
年間100万円の貯金と合わせると、約1,720万円になりました。
○13年経過時
【Aさん】→ マンション購入、貯金は0円へ
【Bさん】年間家賃収入総額約420万円+通常の貯金総額1300万円
→ 計約1720万円
■さらに10年後
そのまま、もう10年経つとどうなるでしょうか。
Aさんは、年間家賃収入90万円が10年間で900万円となり、通常の貯金も加えて
1900万円の貯金になりました。
一方Bさんは、最初の13年間の家賃と貯金約1,720万円に、年間家賃収入325,452円×10
年と、年間の通常の貯金100万円×10年を上積みして、計約3045万円の貯金になり
ました。
○23年経過時
【Aさん】( 家賃収入90万円/年+通常の貯金100万円/年 )×10年
→計1900万円
【Bさん】( 家賃収入325,452円/年 + 通常の貯金100万円/年 )×23年
→計約3045万円
家賃が増減なく途切れず入り、租税も考慮せず、かなり単純化した例ではあり
ますが、この差はなぜ生まれたのでしょうか?
一つ言えることは、Bさんはいち早く着手し、かつ上手にローンを組んだこと
で、13年分長くマンション経営のメリットを享受しています。
コツコツと現金を貯めたAさんが少し気の毒ですが、13年間現金を遊ばせたと
もいえます。そして有名な投資本の言葉を借りれば、Bさんは13年間コツコツ
とお金に働かせた、とも言えます。
■繰り上げ返済でスピードアップ
なお、Bさんの場合は色々な選択肢が考えられます。
家賃収入と返済の差額がある程度貯まった時点でローンの繰り上げ返済をすれ
ば、貯金を加速させられますし、年間100万円の貯金もどんどん繰り上げ返済に
回してゆけば、加速度的に返済スピードを上げられます。
こうすれば早期完済も充分可能です。
また、貯まった家賃や貯金で、2件目、3件目と物件を増やしてゆくことも考
えられます。
いずれにせよ、回収した資金を返済や購入資金に回してゆくことで、支払い利
息の減少も、家賃収入の増加も可能です。
35年という長期ローンを組んで月々の返済額を抑えておきながら、利息を35年
間払い続ける必要はないのです。
■ローンのコストは“特急料金”!?
こうして比較してみると、早期にマンション経営をスタートし、家賃を得てい
くことこそが、ローンを組むことの意味と捉えられます。
一時的に利息を支払うことを選択しつつも、その利息を上回る収入を得て、そ
の収入を返済や追加購入に回してゆくことにより、収入を得るスピードをさら
に上げてゆく。
つまりローンのコストは、人生という限られた時間の中で、家賃収入獲得へ早
く到達するための“特急料金”という言い方ができそうです。
もちろんこの“特急料金”は、早めに繰り上げ返済して「途中下車」すること
により、ローンを組んだ期間ずっと払っていく必要はないのです。
■投資用住宅ローンだからこその「安全性」
金融機関は、ただお客様がお金を必要としているから、融資をするのではあり
ません。
お客様が“長期に”“安定して”家賃が取れる、優良な物件を購入するからこ
そ、融資をするのです。
いわばマンションという「連帯保証人」があって実現する融資です。
お客様に対する審査と共に、物件に対する審査を通さなければならないことが、
ローンをさらに安全なものにしています。
つまり不動産業者でもなくお客様でもない、第3者である金融機関が、お客様
の投資計画に対して審査をし、安全だと判断したから融資をしている、という
ことがいえます。
■お客様、物件、そして第3の審査も
余談ですが、さらにいえば販売する不動産会社も、提携するにあたって金融機
関の審査を経ています。
当社は長年の実績と信頼性、公正な販売姿勢等に評価を頂き、多くの金融機関
と提携させていただくことが出来ています。
このことにより、幅広いローン商品をご提案させていただくことが可能になっ
ており、例えば若く働き盛りの方々だけでなく、シニア世代の方々向けの商品
もございます。マンション投資をお考えの方は、是非私たちのご提案と比較し
ていただきたいと思います。
目標とするご年齢まで、ご定年まで、そして人生という時間が限定されるもの
である以上、“特急料金”を払ってでも、早く目的地に行きたいとお考えにな
ることは当然で、ローンご利用の方が多くなるのは自然なことかと思います。
しかし、目的地へ急ぐあまり無理なローンを組まれて、かえって将来を危うく
してしまうことや、不動産投資に対して悪い印象を持たれてしまうのは、私た
ちの本意ではありません。
皆様にはローンに縛られた運用ではなく、ローンを上手に利用(活用)したマ
ンション経営ライフを過ごしていただきたいのです。
そのためのアドバイスをさせていただくのが、私たちの使命だと思っておりま
すので、ぜひお気軽にご相談をいただければと思います。
★『【前編】~現金が無いからローンを使うだけなのか?~』をお読みになり
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