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2017-04-21
進む郊外化!中古ワンルームマンション市場の行方は!?
先月、東京カンテイが「2016年首都圏ワンルームマンション市況レポート」
を発表しましたので、今回はその中から、新築ワンルームマンション市場を
ピックアップしてご紹介します。
このレポートは、東京カンテイのデータベースに登録されている物件のうち、
30平米未満の分譲マンションが抽出されています。
2016年の1年間、首都圏で供給された新築のワンルームマンションは
速報値で11,166戸。供給戸数は2012年の13,234戸をピークに
2013年が12,551戸、2014年が12,050戸、2015年が
11,634戸と減少しているものの、依然として高い水準を維持しています。
一方の中古ワンルームマンション市場は、2012年に年間74,752件で
過去最高件数を記録していましたが、2016年はそれをも超える大きな伸び
をみせ、82,595件となりました。
新築の供給エリアは行政区・沿線・駅それぞれでランキング化
されていましたので、順に見ていきましょう。
(行政区別)
1 位 川崎市川崎区
2 位 板橋区
3 位 川崎市中原区
4 位 港区
5 位 品川区
6 位 足立区
7 位 墨田区
8 位 練馬区
9 位 大田区
10位 江東区
港区が4位、品川区が5位と、都心部が上位にランクインしていますが、
何と、1位と3位に川崎市内がランクインしました。
上位10行政区の中で1戸あたりの平均価格が最も高かったのは
港区で、平均専有面積24.64平米に対して3,707万円と
1坪当たり500万円近い水準となっています。
1戸あたりの平均価格が最も安かったのは、川崎市川崎区の
2,215万円、坪単価では板橋区の322.1万円で都心部
との間に価格差があります。
(沿線別)
1 位 JR京浜東北線
2 位 京急本線
3 位 三田線
4 位 東急東横線
5 位 横浜市営ブルーライン
6 位 JR中央線
7 位 JR山手線
8 位 有楽町線
9 位 東西線
10位 大江戸線
上位2位は両路線とも川崎駅や横浜駅へのアクセスが良い
物件が多く、また、本来ワンルーム立地敵地とされる地下鉄
路線は依然として数が減少しているようです。
(駅別)
1 位 川崎駅(川崎市川崎区)
2 位 京急川崎駅(川崎市川崎区)
3 位 白金高輪駅(港区)
4 位 武蔵小杉駅(川崎市中原区)
5 位 西川口駅(川口市)
6 位 西台駅(板橋区)
7 位 立会川駅(品川区)
8 位 立川駅(立川市)
9 位 地下鉄成増駅(板橋区)
10位 元住吉駅(川崎市中原区)
駅別では上位10駅のうち6駅が23区外、川崎市や都下の
駅が多くランクインし、ここでも立地の郊外化が見て取れます。
上位10駅のなかで最も平均価格が高かったのは白金高輪駅で3,482万円、
坪単価473.1万円。最も安かったのは西川口駅で2,068万円、
坪単価では西台駅の311.5万円でした。
行政区・沿線・駅、それぞれのトップ10を見て来ましたが、
郊外への供給が多く、都心に立地する物件は希少価値が
上がっていると言えます。
このような現況から、中古マンション市場にも数年後には、
郊外の物件が多く出回ることが予想されます。
しかし、賃貸需要や少子高齢化、人口動向などを踏まえると、
郊外は都心と比べると不安材料が多くありますので、郊外の
物件を検討される際は、慎重に吟味するのが肝要です。