不動産の基礎知識
2014-02-28
【前編】本当に賃貸需要が安定している物件を探すには?
投資用マンションを購入するにあたり、皆様はどういった点から
物件を選定しますか?
弊社のお客様の中には『賃貸需要の高いエリア』から徐々に物件を
絞っていく方が多いです。
しかし、エリアの選定は出来たものの、さらにそこから賃貸需要の
見込める物件を探す段階になると、どの物件が良いのか判断がつかなく
なってしまう方が多いです。
そこで今回は、ワンルームマンションの借り手側に見られる特性から
“賃貸需要の見込める入居者層”について検証してみました。
まず、都心ワンルームマンションの主な借り手は大まかに下記のように分けられます。
①学生
②独身の社会人
③単身の高齢者
④法人
⑤マンスリー業者
⑥SOHO
ワンルームの借り手と言えば「学生」もしくは「独身の社会人」と思われてい
る方も多く、少子高齢化が叫ばれている昨今においては、人口減という現象が
リスクの一つとして捉えられがちですが、上記に挙げたような”借り手”が多
く見込めるのが都心のワンルームマンションの強みでもあります。
そして、当然の事ではありますが、借り手が物件を選ぶ際に重視するポイント
はそれぞれ異なります。借り手側それぞれの特徴をしっかり押さえる事によって、
継続的な賃貸や安定した家賃収入を見込める物件が自ずと浮かび上がってきます。
弊社グループ会社であるシイ・アイ・シーの管理状況をもとに、それぞれの事案
を挙げて行きますので、物件を選定される際の参考にして頂ければと思います。
①学生
誰もが知っているような有名大学やお嬢様大学があるエリアでは家賃が高く
取れる傾向が見受けられます。(当然例外の学校もあります)
なぜ家賃が高く取れるのか?
東京大学を例に見ていくと自ずとその理由が見えてきます。
東京大学周辺の本郷エリアは、他大学のエリアと比べると高めの家賃設定と
なっているにも関わらず、学生の入居者が目立ちます。
東京大学「学生生活実態調査」によると、学生の親の平均年収は950万円以上
が51.8%と、半数以上の家庭で子供のために使えるお金に余裕があることがわ
かります。そのため、家賃が周辺より高い物件だったとしても、セキュリティ
がしっかりしている物件や設備等のグレードが高い物件が本郷エリアでは選ば
れる傾向にあります。
しかし学生の場合は退去時期が他の部屋と同時期になる事が多く、新しい入居
者がなかなか決まらない事もあります。また、古くからの学生街で開発の手が
入りにくい様なエリアでは、マンションだけではなく、アパートまでも競合物
件となりますので、賃料の下げ合いや入居者の取り合いが起こり、安定した不
動産投資が出来ない可能性も有りますので注意が必要です。
②独身社会人
住環境や日当たりよりも、家賃や通勤にかかる時間、エリア・物件グレードを
重視している傾向が強いです。女性に関してはさらに、セキュリティーを重視
する傾向にあります。
同じ家賃を支払うなら、少しでも綺麗でおしゃれな物件を選びたいと思うのは
当然の心理です。ここ最近では浴室乾燥機や独立洗面台、セキュリティー面で
はTVモニター付オートロックや安全性の高い鍵、監視カメラなどは付いていて
当たり前、各部屋にホームセキュリティを装備している物件も多く、女性がこ
のような物件を選ぶのも納得です。
また、晩婚化の影響からか年収の高い単身者も多くなっているため、駅からの
距離やエリアだけではなく物件のグレードに拘って部屋を探し、そこに長い期
間住む方も多くなっています。
③単身高齢者
少子高齢化が叫ばれる昨今、自然と夫もしくは妻を亡くし単身となった高齢者
からの需要が特に増えてきています。
単身となった親を地方から呼び寄せ同居をしようと思っても、同居出来るほど
部屋の広さはありません。だからと言って、地方に戻って同居をしようと思っても、
働き口がないなどの理由で地方には戻れません。仕事も辞められませんよね。
そんな子供世代が賃貸マンションを借りて、親を入居させるケースが増えています。
「スープの冷めない距離」に親を置くことにより、同居は出来なくてもいつでも会え
るという環境を築きあげています。程よい距離を保つ事で、ストレスなく親の面倒を
見られるという事で、増えている需要です。
物件を選ぶ際には、フラットフロアで段差のない部屋、そしてホームセキュリ
ティを完備しているような物件を選ぶ傾向にあり、築浅の物件が多く選ばれて
いるように見受けられます。
また、今後一層の高齢化が進んだ場合でも、地方から医療施設の整った都心部
へ高齢者が単身で移住してくる事も予想され、さらなるワンルームの需要増大が
見込まれます。
⇒次回は④法人、⑤マンスリー業者、⑥SOHOについて検証していきます。