賃貸管理の話

2014-10-24

ちょっと待った!!サブリース契約の甘い罠

「リスクは可能な限り回避したい」

投資をするうえで一度は脳裏を掠めるのがこの一言ではないでしょうか。

 

どんな投資商品にもリスクは付き物です。

 

そして、予見出来るリスクに対しては如何にして回避出来るかを模索し、

最適だと思われる方法を実践してみるしかありません。

 

しかし、せっかく見つけたその回避方法にも実は

「思わぬ落とし穴があった!」何てこともあります。

 

そこで今回は、思わぬ落とし穴の一つとして数えられる

「サブリース契約」について注意喚起も含めてお伝えさせて頂きます。

 

サブリースとは・・・

所有の賃貸住宅をサブリース会社(不動産会社)が一括借上げを行い、

賃借人の立場にサブリース会社が入り、さらにその賃貸住宅を第三者

に転貸(又貸し)し、第三者とサブリース会社が賃貸借契約を締結す

るというシステムです。もちろん、賃貸管理業務や建物のメンテナンス

などもサブリース会社が全て請け負います。

 

では、なぜこの契約がリスクの回避法として選ばれるのでしょうか。

 

まず、オーナーは第三者(転貸先の入居者)から得られる賃料に対して、

15~10%の手数料(他管理費用なども含)をサブリース会社に支払い、

残った85~90%の賃料を手取り収入として受け取ります。

 

ここまでは通常の管理委託とそう変わりはありません。

では、何が違うのか。

 

この契約の最大の肝は、空室時でも同額(85%~90%の賃料)

の家賃収入を得られるという点です。

 

契約形態を見直してみると

オーナー ⇒ サブリース会社 ⇒ 入居者

 

となりますので、あくまでオーナーが部屋を貸し出しているのは

サブリース会社であり、所有している部屋に入居している入居者

ではありません。

 

そのため、契約の観点から見ると、オーナーが所有している部屋が空室に

なるのはサブリース会社との契約を解約した時という事になります。

 

これだけを聞くと「悪くないシステムではないか?」と思われがちですが、

現にトラブルが頻発していますので事例ごとにご紹介いたします。

 

○サブリース会社からの家賃減額請求

サブリース会社が一括借上を行い約定賃料を設定しますが、経済状況など

の変動により不相当な水準になった場合には、契約条件に拘らず家賃保証

金額の増減を請求できるという契約条文になっている事がほとんどです。

 

■条文例■ ※乙(サブリース会社)

乙は、賃貸借期間の始期から2年経過毎に、本物件の適正賃料からの乙の

適正な収益を控除した金額を基準として、本物件の転貸料の変動及び改定

状況を勘案して、改定賃料を定めることができる。

 

家賃減額請求を行う際にサブリース会社は賃料査定を行いますが、周辺相場

を確認し確実に入居者を見つけられる賃料を査定しますので、査定賃料が相

場以下という設定も多く、また賃料改定が2年経過毎と改定頻度が多いよう

な契約によってトラブルに発展するケースが多数報告されています。

 

○サブリース契約の中途解約

「30年・35年長期保証契約」で安心経営というサブリース契約を聞いた

事があると思いますが、この保証契約こそ一番の落とし穴と言っても過言

ではありません。

 

まず、この保証契約を締結する事でオーナーとサブリース会社との間で

普通建物賃貸借契約が成立します。すると借地借家法が適用され、賃借

人であるサブリース会社は当然に法律で守られるという図式が出来上が

ります。

 

そのため、賃借人(サブリース会社)から中途解約を申し出る分には、

入居者の権利として解約が容易に認められるのに対し、賃貸人(オーナー)

からの解約申し入れは正当事由が認められなければ一方的に解約する事が

出来ない事になっています。

 

そのため、オーナーから解約を申し入れられたサブリース会社は借地借家法と

言う法律を盾に解約を拒絶。解約が出来ないという事例が多数報告されています。

 

また反対に、賃貸需要が見込めないような地方で強引にアパートを建てさせて

おきながら、空室が多いという理由でサブリース会社から一方的に契約を解約

されてしまうというトラブルも起きています。

 

ここでしっかり押さえておいて頂きたいのは、サブリース会社が賃借人という

立場になる事で借地借家法の適用により、賃貸人であるオーナーよりも賃借人

であるサブリース会社が法律に守られるという点です。

 

さらに、解約に関する契約条文の記載内容によるトラブルも多々あります。

 

■条文例■※甲(オーナー) 乙(サブリース会社)

甲は、乙に対して、賃料の6ヶ月分に相当する金額を支払うことにより、

賃貸期間内といえども本契約の解約を申し入れることができる。

 

オーナーにとっては明らかに不利な条文ではありますが、契約書に記載

されている以上条文に従って解約をする他ありません。なかには、解約

そのものを禁ずる条文さえありますので充分に注意が必要です。

 

サブリース契約を締結する際には、必ず契約条文を確認してください。

 

その他にも、契約終了後の管理やサブリース会社の破綻によるトラブル

などが報告されていますが、不動産専門誌の週刊住宅よると「家賃の減額」

や「中途解約」についての相談件数が圧倒的に多く、オーナーがサブリース

契約の内容(条文)をしっかりと確認や理解をせずに契約を結んでしまって

いる事が大きな原因ではないかとも報じられていました。

 

不動産に限らずどんな契約でもそうだと思いますが、

面倒臭がらずに一つ一つ契約条文を確認し、署名捺印

をして頂く事が非常に重要です。

 

この確認を怠らない事がリスクマネジメントにも繋がると思います。

 

サブリース契約もメリット・デメリットが潜んでいますので、

良い話だからといって安易に飛びついてしまうのは禁物です。