マンション投資のポイント

2014-06-27

地震のリスクはゼロに近づけられるのか!?

マンション経営における四大リスクと言えば、「空室リスク」「金利上昇リスク」

「修繕リスク」「地震・火事リスク」です。

 

その中でも地震は自然災害のため、リスクを完全に排除することはできません。

しかし被害を最小限にするための備えは必要で、そのための一つに「建物の耐

震化」が挙げられます。そこで今回は、マンション経営のみならずお住まい用

の不動産を購入する上でもしっかりと押さえておいて頂きたい耐震基準につい

てお伝えします。

 

現在の耐震基準は1981年に改正されたもので、それ以前の耐震基準と区別する

為に「新耐震基準」と呼ばれ、1981年以降の建物はこの新耐震基準を満たして

建てられています。

 

改正以前の「中規模(震度5程度)の地震でほとんど損傷しない」という

「旧耐震基準」に対して、「新耐震基準」は、旧耐震の基準に加え「大規模

(震度6強から7に達する程度)の地震で倒壊・崩壊しない」ことが求めら

れ、建物の寿命のうちに一度起こるかどうかという大規模な地震に対しては

「人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないこと」を目標としています。

(国土交通省「建築基準法の耐震基準の概要」より)

 

新耐震基準の有効性はその後1995年に発生した阪神・淡路大震災の被害状況

からも読み取ることができます。

 

1981年以前に建築された建物では調査対象のうち29%が大破以上の被害を受け

ていましたが、1981年以降の建物では8%でした。また軽微・無被害で比較する

と前者が34%に対して後者が75%という結果が見られます。

(「平成7年版阪神淡路大震災建築震災調査委員会中間報告」より)

 

もちろん築年数による自然な痛みや摩耗はあると思われますが、法改正にかなり

の効果があったことが証明されました。

 

建物に耐震補強を施すのも一案ではありますが、マンションの場合は費用面や

組合の決定を要したりとかなり複雑になります。

 

新耐震基準以降の建物に関しては、新たな建築技術が次々と採用され建物の

耐震性は確実に進化を遂げています。

 

中古マンション投資を実践もしくは検討されている方であれば、旧耐震基準の

物件を紹介されたり検討された事がある方もいらっしゃると思いますが、地震

のリスクを“ゼロ”に近づけたいというお考えであれば、新耐震基準の物件を

選ぶこと、そして日本の建築技術を信じるというのも一考かもしれません。