マンション投資の注意点

2018-09-07

中古戸建投資がおすすめ!?押さえておくべき注意点

週刊ダイヤモンド9月8日号で特集が組まれ、

『まだまだあった不動産投資の罠』が表紙を

飾りました。

 

不動産投資に興味、関心をお持ちの方であれば

かなり気になる見出しですよね。

 

それにしても、ストレートな表現にも関わらず

なかなかキャッチーな言葉ですね。

 

昨年6月にも特集が組まれていましたが、その時は、

『相続・副業の欲望につけこむ 不動産投資の甘い罠』

でした。

 

ついつい手に取ってしまいますよね。

 

さて、今回の特集では「スルガスキーム」として世間を

騒がせているスルガ銀行の不正融資からはじまり、1棟

アパートなどの大型投資物件のトラブルを取り上げ、

悪徳業者の販売手法が詳しく明かされていました。

 

また、「銀行にバレて取引停止も!現役社長が明かす闇の手口」

として、現役の不動産会社社長が匿名を条件とした暴露記事も

なかなか衝撃的な内容でした。

 

かぼちゃの馬車から始まった一連の事件をきっかけに、

1棟アパート・マンションの融資が厳しくなったうえ、

不動産投資への印象は悪くなる一方です。

 

不正を行う不動産会社や銀行が存在しているがために、

「不動産投資は恐いからやっぱりやめておこう」と、

検討を中断された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

不動産投資は、正しいやり方で行えば安定的に収益を

上げる事ができる、実に堅実的な投資法です。

 

記事中で悪徳業者が割高物件を販売する手法を説いていますが、

その中で「区分ワンルームマンション業者も似たり寄ったり。」

として、東京23区東部の約2,700万円の新築ワンルーム

マンションを販売する不動産会社の話法が掲載されていますので、

下記にご紹介します。

 

「赤字の1万円も投資だと思えば」

「ワンルームマンションの損失で節税できます」

「生命保険代わりになります。月1万円の赤字でも、

2万~3万円払って死亡保険に入るよりいいですよ」

 

不動産投資のメリットを逆手にとった酷い内容ですよね。

 

不動産投資の醍醐味は、月々の収支をプラスで持てる資金計画を作り、

長期安定的に家賃収入を得て、着実に資産形成を図れることです。

 

節税や保険効果はあくまでも副産物です。

節税や保険効果を最終目的にしてはいけません。

 

また、記事中では「中古戸建投資」をすすめていましたが、

少し気になる点がありましたので、ご紹介します。

 

記事中では、2つの中古戸建が紹介されていました。

 

A.東京都足立区某駅から徒歩4分 980万円

B.利回り10% 680万円

 

気になったのは、下記3点です。

 

・ABともに築年数や広さの記述がない

・Bはエリアについて言及がない

・自主管理を勧めている

・物件が少ない

 

築年数や広さ、エリアの情報がなければ、

ある重要な観点が抜けてしまいます。

 

それは、「入居者目線」です。

 

不動産投資は入居者がいてはじめて成り立つ投資です。

 

数字ばかり言及している記事でしたが、入居者がしっかりと

つくような物件でなければ、卓上の空論で終わり、その投資

は失敗してしまいます。

 

また、掲載されているCFやROIなどの数字から、

物件の家賃はおよそ5万円台です。

 

築年数は不明ですが、中古の戸建てを5万円代で賃借

する方の属性を考えると、滞納リスクが高くなるので

はないでしょうか。

 

また、中古戸建の管理が敬遠されがちであることを理由に、

「自主管理」を勧めていますが、家賃の集金から募集、

入居者が入れ替わった際の原状回復、設備に不具合が出た

時の対応などを、サラリーマン一人で担うには負担が大きすぎます。

 

さらに、記事中でも記載されていますが、中古戸建の流通量

そのものが少ないため、「中古戸建投資をやってみよう!」と

思っても、なかなか物件が見つからないかもしれません。

 

「中古戸建投資」は忙しいサラリーマンにとって、

あまり現実的な投資とは言えません。

 

ただ、低所得者向けとして「中古戸建投資」が紹介されて

いましたので、サラリーマンに向けての記事なのかは定か

ではありません。

 

一般的な低所得者の基準は「住民税世帯非課税」とされています。

 

そのため、世帯によって基準となる額は変わってきます。

単身だと100万円、夫婦だと135万円、といった感じです。

 

この基準で考えると、低所得者が1,000万円の中古戸建を

投資用に購入するのは、あまりにも現実味がありません。

 

一連の諸問題によって融資が厳しくなっているため、

その他の投資物件の一つとして紹介しているのであれば、

恐らく年収400万円~700万円程の層を指しているのでしょう。

 

一般的なサラリーマン層を指しているのであれば、

リスクが高いうえに手間も掛かる中古戸建物件は

あまりお勧めできません。

 

前述しましたが、不動産投資は入居者がいてはじめて

成立する投資方法です。

 

卓上の計算ばかりに捉われていては、

健全な資産形成を図ることは困難になります。

 

数字だけに捉われず、20年30年後も賃貸需要が見込める

物件を選定するのが、不動産投資成功の秘訣ではないでしょうか。