不動産の基礎知識
2014-04-18
築古 vs 築浅のメリット・デメリットを考察
中古マンションを検討されるうえで、価格帯の安い築古物件が良いのか?
多少価格帯が高くても安定収入が見込めそうな築浅物件が良いのか?
悩まれる方は多いのではないでしょうか。
当然の事ながら、築浅物件・築古物件どちらにも
メリットがありデメリットがあります。
そのメリット・デメリットをしっかり考慮されたうえで、ご自身が想定
されている投資プランにあった物件を的確に選択する事が出来れば、
マンション投資のリスクを低減させる事ができ、よりマンション投資成功
への可能性が高まるはずです。
そのため、今回は年代ごとの特徴をしっかり押さえて頂けるように
物件の特徴を年代別に分けてお伝えしたいと思います。
①1994年以前(築20年以上) 1,000万円以下が中心
②1994年~2000年(築20年以内) 1,200万円前後
③2000年以降(築15年以内) 1,600万円以上
①築20年以上の物件 1,000万円以下が中心
流通量が多く、価格帯としては、200万円~1,000万円以下で高利回り
物件として売りに出されているケースが多いです。
価格帯に幅があるのは偏に、都心部の物件から郊外の物件まである
ためで、高利回りを優先される方や、購入予算が決まっている方に
とっては、広い選択肢の中から選ぶことが出来るといったメリット
があります。
ただし、この年代の物件は、現金で購入する事が前提になるケース
が多いです。というのも、各金融機関から評価が出づらい(融資を
受けられない)物件が比較的多いからです。
評価が出づらい理由としては、専有面積が狭く(14~18㎡)、
オートロック無し、防水パン(洗濯機置き場)が無いなど、
人に貸す上で家賃をしっかりと取れる広さや設備が整って
いるとは言えないため、金融機関が空室リスクや家賃下落
リスクが高い物件と判断しているためです。
設備に関しては、ミニキッチン、電気(電熱線)コンロ、
絨毯やカーペットが使用されている物件がほとんどです。
また、現在ではバス・トイレ別のセパレートタイプが当たり前
ですが、築20年以上の物件となると、3点ユニットバス(バス・
トイレ・洗面が一緒)が当時の主流であった為、ほとんどの
お部屋が3点ユニットバスとなっています。
アットホームが調査した「一人暮らしの実状と部屋探しについて」
によると、部屋探しをする際に重視する設備について、80%強の方
が「独立したバス・トイレ」と回答しており、入居者の需要からマ
ンション経営を考えると、築20年以上の物件はマンション経営最大
のリスクである「空室リスク」に直面する危険性が他の年代の物件
と比較するとやや高くなります。
築古物件のデメリットは、ずばり!お部屋の狭さと設備の古さだと言えます。
②築20年以内 1,200万円前後
1,000万円以下の物件と比較をすると、各金融機関からの評価も
比較的出やすく、価格帯は1,200万円前後となっています。
専有面積(18~20㎡)、オートロック有、ミニキッチンやシステム
キッチン、1口ガスコンロ、クッションフロアー(CF)やフローリ
ングが使用され始め、これまで主流となっていた3点ユニットバスから
バス・トイレ別へ仕様変更を行っている時期の物件です。
転売でのキャピタルゲイン目的に建てられていた時代から、
賃料収入によるインカムゲインを目的に建てられる時代への
変遷期の物件となります。
現代の新築マンションと比較をするとやや劣るものの、設備の整った
物件を比較的安価に手に入れる事が出来るのがこの年代の物件です。
しかし、この年代の物件はバブル崩壊後の時期になる為、新築物件の
供給された数そのものが極端に少なく、この年代の物件を購入しよう
と思っても探すのが非常に困難な年代となっています。
また、設備面に関しては、築浅と築古の過度期になり、建物1棟の中に
バス・トイレ別のセパレートタイプと3点ユニットタイプが混在してい
る物件もありますので、注意が必要です。
立地に関しては、バブル崩壊後の虫食い状態の土地があった時代
でもあり、東京23区内の比較的立地の良い場所に建てられている
ものも多いのが特徴です。
③築15年以内 1,600万円以上
特別大きな問題が無い限り、各金融機関からの評価も出やすく、
価格帯としては1,600万円以上での流通が多い年代となります。
専有面積(18~25㎡)、オートロック有、システムキッチンが主流、
2口ガスコンロ(グリル付有)、フローリング、バス・トイレ別、
浴室換気乾燥機、TVモニター付オートロック、宅配ロッカー、人感
センサー付き照明、が標準で装備され、物件によっては、洗浄トイレ
(ウォシュレット)や独立洗面台なども少しずつ完備され始め、現在
販売されている新築物件とほぼ同等の設備仕様になります。
そのため、家賃収入が比較的安定しているというメリットがあります。
上記①、②グループの物件と比較した場合のデメリットは、
やはり価格の高さからくる利回りの低さです。
しかし、部屋の広さや充実した設備から、長期の賃貸需要と安定した
家賃水準を求めるうえでは、将来の収入源確保の目的や年金対策として
は適した物件ではないでしょうか。
立地については、都心好立地に比較的多く点在していますが、
築年数が浅い物件になると都心からやや郊外、横浜や川崎に
移っている傾向もあります。
また、この年代の物件は長期修繕計画が新築時から計画的に組まれており、
しっかりと修繕積立金が積み上げられている物件が大半なので、大規模修繕
を行う際に一時金を請求されたり、修繕積立金が急激に値上げされたりする
事がほとんどありません。
以上の様に、①~③のグループにおいて設備や物件エリアの違いが様々出て
来ますので、どの年代・価格帯で検討をしていくのかというのは、個々の投資
に関する考え方や捉え方、投資金額などによって異なってきますので、物件選
定の際にはしっかりとご自身の投資プランを立てられる事をおすすめいたします。