不動産の基礎知識
2014-01-31
重要事項に関わる調査報告書
今回は『 重要事項に係わる調査報告書 』についてご説明致します。
中古マンションをご購入するにあたり、必ず確認を行っていただきたい書類が、
『重要事項に係わる調査報告書』という書類です。
こちらの書類は建物管理会社が発行しており、発行を依頼する際には、各管理
会社が定めている書類発行手数料(弊社グループ会社では手数料5,250円)を
支払わなければいけません。
一般的には、売主から売却依頼を受けた不動産業者が不動産売買契約締結前に
行う「重要事項説明」に用いる「重要事項説明書」を作成する為、建物管理会
社から取り寄せている書類です。
各建物管理会社によって表示形式の違いはありますが、専有部分の用途制限や
共用部分に関する事など、住戸の管理やマンション全体の管理に係わる内容が
記載されています。
代表的な記載項目としては、下記項目があげられます。
・調査依頼日
・対象となる物件名や部屋番号、所在地、建築年次
・修繕積立金総額
・管理費、修繕積立金の月額
・管理費、修繕積立金の滞納額(マンション全体と対象となる部屋について)
・管理費、修繕積立金の改定予定
・管理組合の借入金の有無
・修繕工事履歴
・管理形態
・大規模修繕改修工事に関する予定
・アスベストや耐震診断の有無など
上記以外にも記載事項は様々ございますが、物件選定を行っていただく際には、
上記内容を特に注意してご確認いただきたいと思います。
例えば管理費や修繕積立金の改定予定がある場合には、検討物件の利回りや
キャッシュフローにも変化が生じてきますので注意が必要です。
弊社においても物件の仕入れを行う際、必ず『重要事項に係わる調査報告書』
の上記内容を中心に、将来行われる修繕工事に向けた資金がしっかりと積み上
げられているか、滞納や組合借入金などで買主に負担が生じないか、今後の大
規模修繕工事予定の有無、工事履歴において躯体に問題が無いかといった事を
中心に、健全な管理が行われているのかを判断する為、必ず確認をしております。
市場には様々な年代の物件や数多くの建物管理会社がございますので、中古マ
ンションをご購入していただく際には、建物の現地確認だけでなく『重要事項
に係わる調査報告書』を基に、管理状態の良し悪しをしっかりと見極める事も
必要です。