マンション投資のポイント

2014-12-12

大学の止まらない都心回帰がおよぼす影響とは?

2005年に東洋大学が埼玉県の朝霞キャンパス(うち文系5学部の1.2年生)

を文京区の白山キャンパスに集約し入学志願者数増加に成功したのを皮切りに、

各大学が後に続いた都心回帰。

 

2014年の終わりが近づく現在でも、

この都心回帰ラッシュは終息しそうにありません。

 

教育現場では少子化が経営に大きく影響を及ぼし、学生獲得競争は年々激化。

今までとは違った経営戦略が求められています。

 

その経営戦略の一つとして、「都市部に通いたい」「就職活動に有利な立地に

ある大学に通いたい」という志願者の希望を汲み取ったのが都心回帰です。

 

では、実際に都心回帰をした大学は志願者増加に成功しているのか?

 

今年4月に実践女子大学が日野キャンパスから渋谷キャンパスに移転

した結果、今年の志願者は昨年に比べて複数の学部で30%以上増えた

そうで、大学側、学生からすればこの都心回帰は双方にとって喜ばし

い結果をもたらしているようです。

 

しかし一方で、大学に出て行かれた自治体にとってはダメージが大きく、

不動産投資の観点から見てもキャンパスの移転は見過ごせません。

 

今年6月に東京理科大学が埼玉県の久喜キャンパス(約1,000人が在籍)

から平成28年4月より新宿区の神楽坂キャンパスに全面移転する事を

決定しましたが、この移転に伴い大学周辺の賃貸会社には、大学周辺で

物件を所有しているオーナーさんからの問い合わせが殺到しているそうです。

 

大学に通っていた約1,000人もの学生だけではなく、教職員・関係者も

久喜市からいなくなるのですから問い合わせが殺到するのも当然です。

 

賃貸需要が無くなるのではないか?資産価値が下がっていくのではないか?

オーナーさんの不安は計り知れません。

 

また自治体からしてみれば、学生の消費やアルバイト雇用、街全体の活気が

失われるのですから大きな損失を被ることになります。

 

他にも、以下の大学で移転が予定されています。

・拓殖大学

平成27年度より商学部・政経学部を八王子市の八王子国際キャンパス

(約3,000人が在籍)より文京区の文京キャンパスに全面移転

 

・東京電機大学

平成30年度より千葉県の千葉ニュータウンキャンパス(約1,200人が在籍)

より足立区の千住キャンパスに全面移転予定

 

・東洋大学

平成29年度より総合情報学部を埼玉県の川越キャンパス(約1,100人が在籍)

より北区の赤羽台キャンパス(新設)に移転予定

 

東京都総務局のデータによると、東京都内の単身世帯数は、平成22年で

約292万世帯。平成47年には約324万世帯にまで増えると予測されています。

 

物件を選定するにあたり、属性を大学生に絞って考えてみると大学の都心回帰は、

賃貸需要が見込めるエリア見込めないエリアそれぞれに影響をもたらす可能性を

秘めています。

 

今までは需要が見込めなかったエリアが都心回帰によって

活気づく可能性も充分にあります。

 

マンション経営において立地の選定とそのエリアに多く住む入居者の属性は、

もっとも重要なポイントと言っても過言ではありません。

 

購入した物件の賃貸が永遠に付き続けるという保証はありませんが、

物件の立地・特徴を吟味することで空室リスクや賃貸下落リスク等、

多くのリスクを回避することは可能です。

 

しかし、吟味するためにはそれなりの情報が必要となってきますので

日々の情報収集を欠かさないようにしてください。

 

私たちも日々アンテナを張って、皆さまに価値のある情報をお届け出来

るよう努めていきたいと思います。