マンション投資の注意点
2015-09-09
家賃の誤差にご用心!正しい賃貸情報サイトの見方
「この物件周辺の家賃相場や空室期間などの統計資料はありますか?」
ご購入を検討されているお客様から、
よくこのようなご質問をいただきます。
投資用不動産を購入するうえで、購入物件の将来的な安定性を確かめ
ようとすれば、そのような統計を知りたいと思うのは当然です。
このような情報を得たいときに、不動産会社を含めお客様もよく利用
されるのが、駅ごとやエリア毎、アパート・マンションなどの物件
種別毎に、専有面積や築年数などの条件を設定して、相場賃料を
調べることができる賃貸情報サイトです。
一見すると、不動産業者ではない一般の方でも、簡単に家賃相場を
調べることができる非常に便利なサイトですが、その数字が正確
な数字かと言えば、実はそうではなく、データを全て鵜呑みに
するのは禁物です。
そこで今回は、このような情報サイトの正しい見方をお伝えしたいと思います。
○家賃相場
ほとんどの物件に言えるのですが、実際に入居者が支払う(オーナーが実際
に受け取る)金額は、賃料部分と管理費(共益費)の合計となります。
この管理費は特に決まりがなく、賃貸を付けるための戦略としてなど、
物件によって0円~1万数千円と物件ごとに異なります。
俗に賃料相場と言われるものは、賃料のみが算入されており、
管理費が計算には算入されていません。
例えば、1棟の物件で3部屋の空室が出たとします。
1号室:家賃9万円+管理費1万円
2号室:家賃10万円(管理費0円)
3号室:家賃8.9万円+管理費1.1万円で募集した場合
平均家賃はいくらでしょうか?
10万円です。
しかし、情報サイト上では、平均家賃9.3万円との表記になります。
実際の数字とは7%の誤差が出てきます。
仮に購入を検討している物件が、この物件の4号室で賃料が10万円
だった場合、上記のような相場情報だと、7千円の開きが出ていると
勘違いしてしまう可能性があります。
本当は相場通りの家賃が取れているにも関わらず、情報サイトの相場
を鵜呑みにして、「相場より家賃が高いから価格が適正ではない」と
判断してしまうと、良い物件を逃してしまうことになりかねません。
情報サイトの相場はあくまでも目安とすることをおすすめします。
○空室期間
賃貸募集を物件所有者から直接依頼を受けている賃貸管理業者(以下、業者)
は数多くあり、同じ建物でも各戸ごとに賃貸募集を行う業者が異なる物件もあります。
この場合、各戸ごとの業者は、互いに連携を図ることがないため、
周辺どころか1棟の物件でも、退去から入居までどの位かかったのか、
平均空室期間を知る術はなく、1棟もしくはその地域の賃貸を一手に
引き受けている会社でも存在しない限り、平均空室率の算出は困難です。
また空室期間は、時期によっても左右されます。
例えば2月や3月など、異動などが多い、いわゆる繁忙期と言われる時期
と8月の閑散期とでは物件の動きも違います。
賃貸は1年を通して同じ動きをしません。
この点を踏まえると、空室期間や空室率などの
平均を算出するのは難しいというのが実状です。
また、中古のオーナーチェンジ物件に関しては、賃貸管理会社が変わる
場合もあり、これまでの賃貸状況について知る事はほとんどできません。
不動産には、世の中に同じものが一つとして無い、同じタイミングで
全てが行われるわけではない、などの特性があり、平均化が難しい
商品だといわれています。
インターネット上では、不動産に関する様々なデータが提供されていますが、
そのデータに全ての実情が反映されているわけではありません。
情報サイトのデータはあくまでも目安としていただき、実情に近い家賃相場
を知りたいのであれば、現地に赴き、実際に物件やその周辺環境を自分の目
で確かめ、周辺の不動産会社が張り出している募集図面を参考にしていただ
くことが必要となりますが、最終的には、専門家である不動産業者に相談す
ることで、より正確な判断材料を得る事ができるのではないでしょうか。