不動産の基礎知識
2011-06-24
『ローンを組んでまで投資用マンションを買う意味は?【前編】』 ~現金が無いからローンを使うのか?~
■多額のローンを組むのは危険?
今や週末ともなれば、数多くの不動産業者が不動産投資セミナーを開催してい
ます。
そのほとんどが、「ローン」の利用を資金前提にしたものかと思われます。
また、実際にご購入される方も、ほとんどがローンを利用されています。
確かに、「入ってくる家賃収入をローン返済に充てていく」という仕組みや、
「ローンを組むけど自分で返済するわけじゃない」という説明、ここまでは皆
様が理解されるところでしょう。
だからといって、決して少なくない金額のローンを組むこと自体は、いいこと
なのでしょうか。
私たちも日頃セミナーなどでは、当然ながらお客様のご利用が多いローン活用
を中心としたご説明をしています。
ひょっとしたら高額な悪徳商品のように、購入促進のツールとしてローンを利
用させているんじゃないのか?そんな風に思われているとしたら・・・。
今回はそんな自戒(?)もこめて、「そもそもローンを組む意味」について考
えてみたいと思います。
■ローンを利用する場合の金額的・精神的コストとは
まず始めに、単純な支払額で比べてしまえば、明らかに現金購入がトク、と言
えるでしょう。
現金購入ならば、当たり前ですが利息の支払いはないですし、購入時の諸費用
としても、金融機関に支払う「ローン事務手数料」や、抵当権設定に関する登
記費用・司法書士報酬などは不要となります。
また、コストではありませんが、ローンを組むことに対して単純に抵抗感をお
持ちの方も多いのではないでしょうか。
借金=悪という日本人の美徳、という議論はまたにするとしても、取り立てや
破産など、慣れてないものに怖いイメージがあることも確かです。
果たしてローンには、そんなイメージを払拭して余りあるほどのメリットがあ
るのでしょうか?
■ローンを利用するメリットとは
ご自宅を住宅ローンでご購入された方はご存知のことと思いますが、ほとんど
の住宅ローンには「団体信用生命保険」が付いています。
これは投資用のローンでも同様で、借りた人が死亡または高度障害の状態に陥
ると、以降の返済は生命保険金で賄われます。
つまりご遺族にはローンは残らず、家賃収入だけが残る、ということです。
最近では死亡・高度障害のみならず、がん・成人病などの要因によって働き続
けることができなくなった場合に、ローン返済を保険金で賄える商品も登場し
ています。
なお、節税効果もあります。
家賃収入を確定申告する際に経費を計上しますが、ローン費用や金利の一部も
計上できるため、現金購入に較べて節税効果は大きくなります。
しかし、金利負担は年々減少していくため、この効果は限定的です。
■では、やっぱり現金か?
その程度のメリットであれば、やっぱり全額現金で購入しよう、という方が多
いかと言えばそうでもなく、既に退職されていてローンを利用することができ
ない方を除くと、実際は現金購入の方は少ないのが現状です。
資金の用意には長期の時間がかかる場合が多く、現実的ではないからです。
仮に一年間で貯金できる金額が100万円とすると、1,500万円のマンションを現金で
購入できるのは15年後です。
言い換えれば、マンション経営のスタートはあと15年、歳を取った後になりま
す。
しかし、果たしてすぐにマンションを購入できることだけが、お客様がローン
を使われる理由なのでしょうか。私たちはそれだけではない、と考えます。
それはお客様が早期にマンション経営をスタートする時間的メリットを、上手
に経済的メリットに代えていっているからに他ならない、と思うからです。
やや概念的な言い方になってしまいましたが、次回はいわゆる「時間的メリッ
ト」について、具体的に数字を当てはめてご紹介します。
そして投資用のローンだからこその「安全性」とは何か、をご紹介します。
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