不動産の基礎知識
2010-01-29
『ちょっと待って!!その家賃は適正ですか?』
投資用の不動産を検討する際、特にオーナーチェンジの物件を検討する際に気
をつけていただきたいのが、現在の入居者が支払っている家賃が適正なのかど
うかということです。
利回りが高いからといって現状の家賃と相場家賃を比較せずに購入してしまい、
入居者が退去して新たに募集をして初めてその家賃が相場ではないことに気付
いて、家賃を下げざるを得なかった、という方はよくいらっしゃいます。
ひどいケースでは、購入して1年しか経っていないのに10,000円以上も下げな
ければならなくなった、という話を聞いたことがあります。
また、逆に売主サイドから見ると、なるべく高い家賃で賃貸付けをした方が売
りやすくなるため、礼金や敷金を取らずに(いわゆるゼロゼロ物件)高めの家
賃設定をする場合もあるそうです。
では、どうやって適正家賃を見極めればよいのでしょうか?
適正家賃の求め方のひとつに「比較法」と呼ばれるものがあります。
周辺のライバル物件の設備、仕様、築年数、周辺環境などを踏まえて比較する、
つまり相場を調べるということです。
当たり前のような話ですが、この匙加減が微妙で難しいのです。
まず、家賃設定する時期によっても変わってきますし、設備・仕様にニーズも
多種多様です。
1月~3月のように売り手市場の時期は高めに設定することも可能ですし、設
備・仕様も対象とするべき入居者が学生なのか、社会人なのか、男性なのか、
女性なのかによって変わってきます。
この匙加減のプロといえば、やはり相場を熟知している仲介の不動産会社でし
ょう。ニュートラルな判断をしてくれる不動産会社を知っているのならば、当
該物件の家賃査定をしてもらうのが一番です。
ちなみに当社では、当社がご紹介している物件に限らずご相談いただければ、
都内周辺までの物件に限りますが、無料で家賃査定をさせていただきます。
では、自分で適正家賃を見極める場合にはどうすればよいでしょうか。
ポイントは同じ時期に家賃設定が行われた物件と比較することです。販売価格
が変化するように、賃貸の需給動向も常に動いています。
当該物件エリアの同じような設備・仕様、築年数の物件をピックアップし、家
賃を比較してみましょう。
その際に気をつけるべき点は、所在階、周辺環境、礼金・敷金の額などです。
周りより低い家賃設定をしている物件の場合、1階で防犯上問題があったり、
隣の家の壁が迫っていて眺望がとれなかったり、歩道橋から部屋が丸見えだっ
たり、何かしら問題があるはずです。
これは実際に現場に行ってみるとよくわかると思います。
一方、高い家賃設定ができている物件にも、それなりの理由があるはずです。
他の物件と比べて何が優っているのか、総合的に判断する必要があります。
ただし、高い家賃設定の場合には前述のように礼金・敷金の額が低かったり、
ゼロゼロだったりする可能性がありますので、家賃以外の初期費用にも注目し
てみてください。
このような当該エリアの家賃は、不動産ポータルサイトで検索すればすぐに分
かりますので、上記のことに注意しながら適正家賃を出してみてください。
また、駅別・間取り別などで家賃相場を掲載しているサイトがありますが、条
件を選択できないサイトが多いですし、サイトによってバラつきがありますの
であまり参考にはならないと思います。
投資用不動産≒金融商品だから利回り重視という人は、適正な家賃かどうかは
あまり気にせず、机上の計算で利回りが希望に合うかどうか、ということだけ
で物件を判断している人が多いようです。
しかし、家賃が相場より高ければ下がる可能性がありますし、逆に相場より低
ければ上がる可能性があります。
つまり、家賃などの変動要素のある項目をしっかりチェックしておかないと、
期待した利回りは一瞬で水の泡になってしまいます。
家賃の他にも、金利、管理費、修繕費など、変動要素のある項目はいくつかあ
りますが、安定した投資を望むならば、目先の利回りに惑わされずに、ひとつ
ひとつの項目をしっかり確認する作業を怠らないことが必要です。