不動産の基礎知識
2009-12-04
『物件選択のポイント ~価格帯別にみる物件仕様の違い~』
当社のセミナーには、既に大家さんの方もお見えになりますが、過半数の方は
これからマンション経営を考えようという皆様です。
そして、マンション経営のシステムやリスクなどを研究し、いよいよ物件選定
という段階になって、ビギナーの方が一番戸惑うのは「この物件は1,500万円
ですよ」とか「こちらなら1,200万円ですよ」と言われても、それが果して妥
当な価格なのかどうか、ピンと来ないということではないでしょうか。
そこで、今回は都心部ワンルームマンションの価格別の物件の傾向について、
非常に大雑把ですが、少しポイントをお伝えします。
ここでは、多くの皆様が中古物件を探す際に目安とする価格帯である、1,000
万円以下、1,200万円前後、1,500万円前後という分類で整理します。
※マンション経営の生命線は家賃収入です。
設備は後から換えることができても立地は変えることができません。
ですから、当社は立地を一番に考えています。
今回の価格帯別の物件の傾向は都心部の駅から徒歩圏内(10分程度まで)で
限定した形のものになります。
【A:1,000万円前後の物件】
ローンを利用しての購入が難しい物件も多数ある価格帯で、理由としては築年
数が古い(築20年以上)、設備が古い(オートロックなし等)、専有面積が狭
い(18㎡以下)などがあげられます。
また、現在の賃貸事情ではバス・トイレ別のセパレート型が主流ですが、この
価格帯の物件は、バス・トイレ・洗面所が一緒になっている3点ユニットがほ
とんどです。
もちろんインターネットで物件を探しているだけでも、上記のような低条件に
当てはまらないお宝?物件もあります。
しかし、そういった物件は借地権だったり、自主管理であったり※、1階であ
ったり※と、悪条件が隠れている場合が多いので、物件の内容をよく確認する
必要があります。
※自主管理の場合、修繕積立金がないケースが多い。
※1階の場合、防犯上の問題等から賃貸需要が低いケースが多い。
1,000万円前後の物件は築年数、設備、専有面積などで築浅の物件と比べると
見劣りする点もありますが、相対的に高利回りの物件が多くなります。
【B:1,200万円前後の物件】
1,000万円前後の物件と比べると、築年数(築15年未満)や設備(オートロッ
クあり)、専有面積(18㎡以上)などの条件が良くなるため、ローンを利用し
ての検討が可能な物件が増えてきます。
しかし、まだこの価格帯では築15年前後の物件が多いので、セパレート型の
物件は都心部では少数派です。
(平成10年頃からセパレート型が主流になってきました)
1,200万円くらいの価格帯では、都心部・セパレート・築10年未満等の好条件
の物件を探すのは難しいですが、ある程度条件が整った物件を選定しやすくな
る価格帯ではないでしょうか?
【C:1,500万円前後の物件】
特別な問題がない限りローンの利用は問題ないでしょう。
都心部・築10年以内・セパレートなど好条件の物件も十分に選べます。
設備仕様も現在の新築とほぼ遜色ありません。(TVモニター付オートロック、
宅配ロッカーなど)
物件によっては、浴室換気乾燥機や、人感センサー付き照明などが完備してい
る物件を検討できる場合もあります。
A・Bの物件と比べると価格帯は高くなりますが、新築物件の価格帯を2,000
万円前後とすると(都心部では2,500万円以上の物件も多数あります)、新築
と同等の設備や家賃が取れるマンションを500万円近くも安く購入することが
できるということになりますので、長期安定的な賃貸需要を求める場合には逆
に割安感を感じられる価格帯になるのではないでしょうか。
どの価格帯の物件で検討するかは、皆様の投資に対する考え方(ハイリスクハ
イリターンを望むか、ミドルリスクミドルリターンを望むか)や、投資金額、
投資期間などによって変わってくると思います。
Aの価格帯の物件であれば、短期間で資金回収することを希望される方、また
現金での購入が可能な方には適しているでしょうし、Bは中期間、Cは長期間
安定型の運用を望まれる方に適しているでしょう。
当社はマンション経営のコンサルタントとして、個々の状況に合わせた物件選
択のお手伝いをさせていただいております。
ぜひ一度セミナーに足を運んでいただき、皆様のお考えをお聞かせいただけれ
ばと思います。