不動産の基礎知識

2018-10-05

入居者の満足度が高い「設備」は? 抑えておきたい3つのポイント!

投資用のワンルームマンションを購入するうえで、価格や利回りに注目する

ことは重要な観点の一つですが、その物件に住む入居者の目線をおざなり

にしては、入居付けに苦戦し、想定していた利回りが得られないどころか、

マンション投資から「撤退」、何て自体にも陥りかねません。

 

購入の際には、家賃や立地、広さや設備などを考慮して、実際に自分が

その物件に住みたいかどうかを、一度立ち止まって考えてみる必要があります。

 

しかし、主観だけでは偏った見方になる恐れがあるため、

客観的な入居者のニーズと併せて考えたい所です。

 

そこで今回は、先月5日に発表された、

(株)リクルート住まいカンパニーの「2017年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)※」

を参考に、現在の賃貸入居者のニーズを見てみましょう。

 

同社では、毎年「賃貸契約者動向調査」を実施していますが、

今年は「満足度の高い設備」も調査、ランキング化されていました。

 

満足度が高ければ、退去リスクは低くなり長期入居も期待できるうえ、

次に引っ越す際には、その設備はなくてはならない、

「備わっていて当たり前」の設備になる可能性も高まります。

 

入居者ニーズをつかむうえで、

「満足度」は非常な重要な指標です。

 

同調査では、その他様々な視点から調査を行っていますので、

抑えておきたい「設備」に関する3つのポイントをご紹介します。

 

それでは早速、「満足度」の高い設備から見ていきましょう。

 

押さえておきたポイント その1

【満足度の高い設備】

 

1位 「24時間出せるゴミ置き場」

 

曜日が決まっているゴミ出しは、ついつい忘れてしまう事もありますが、

毎朝のように慌ただしい朝を迎える学生や20代30代の社会人、

出張などでゴミ出しのタイミングが合わないビジネスマンなども多いはず。

 

そのような人たちから重宝されるのが、24時間出せるゴミ置き場です。

 

夜、仕事から帰って一息ついた後に出す事もできれば、

土日などの休日も好きな時間に出すことができます。

 

臭いのキツい生ゴミなども、ゴミ出しの日まで部屋に

置いておく必要はありません。

 

いつでも好きな時にゴミ出しできる事は、

非常に魅力的な設備の一つです。

 

2位「遮音性の高い窓」

 

多くの人が生活する賃貸マンションで気になることといえば、騒音です。

 

隣人はもちろんですが、道路を走る車や通りを歩く人の

話し声なども気になるところです。

 

反対に、賃借人自身が出す騒音にも敏感になっているかもしれません。

 

何かと騒音に関するトラブルが報じられている時代ですから、

昨年からの伸び率が一番高く、満足する人の割合が増えているのも頷けます。

 

3位「宅配ボックス」

 

Amazon、楽天、メルカリなどのネットショッピングが主流となった昨今、

不在時でも荷物が受け取れる宅配ボックスは、必須の設備となりつつあります。

 

ワンルームマンションの場合、入居者の多数が単身者です。

 

運送会社の配達時間は、ほとんどが午前中から夜の21時までですので、

単身者が平日に受け取るのは難しいですよね。

 

休日に再配達を依頼すれば良いだけでは?と思われるかもしれませんが、

せっかく購入したのであれば、1日でも早く受け取りたい方もいますし、

再配達を依頼しても「14時~16時」など、数時間おきの指定で自宅待機の

時間が勿体ないと感じる方もいます。

 

ネットショッピングが主流の現代には、なくてはならない設備と言えます。

 

押さえておきたいポイント その2

【「次に引っ越すときは(も)絶対欲しい」】

 

賃貸物件の契約の決め手になる一番のポイントは「家賃」ですが、

条件によっては、妥協できるポイントでもあります。

 

この調査では、家賃が上昇しても欲しい設備とその許容額の割合が算出され、

以下が上位となりました。

 

1位 追い炊き機能付きのお風呂(1,400円)

2位 エアコン付き(1,800円)

3位 独立洗面台(1,400円)

※()内は、設置された場合に、家賃が上昇しても許容できる金額

 

単身者用のワンルームマンションとなると、追い炊き機能が完備されて

いる物件が少ないため、完備されている物件であれば、周辺相場よりも

高い家賃で入居者を確保する事ができそうです。

 

エアコンに関しては、築年数が20年以上経っているような築古物件

であれば付いていないかもしれませんが、築浅物件であればエアコン

は完備されていて当たり前の設備です。

 

エアコンが付いていない物件となると、

入居者探しが長期化する可能性が高まります。

 

独立洗面台は、ここ最近人気が上がってきている設備の一つです。

 

ここ数年で独立洗面台付きの新築ワンルームマンションが増え、

中古市場でも独立洗面台付きの築浅物件が見受けられるように

なりましたが、供給数自体はまだ少ない状態です。

 

需要と供給のバランスから、独立洗面台付きの物件も

周辺相場より高い家賃での入居付けが期待できます。

 

押さえておきたいポイント その3

【今後住みたい間取り・仕様の相対比較】

 

この比較では、「トイレ独立」を好む傾向が強いことが分かります。

 

以下は、家賃や駅からの距離などが同条件だったとして、

どちらを選びたいかを比較したものです。

 

<居室の広さ VS トイレ独立>

4.5畳 + バストイレ別・・・・66.8%

6畳 + 3点ユニット・・・・22.5%

 

居室が広いよりも、バストイレ別を重視する人の割合が高い、

という結果になりました。

 

ひとり暮らしの男女世代別では、社会人女性の72%が「バストイレ別」

を選びたいと回答しており、バストイレ別の需要の高さが伺えます。

 

<バスタブ VS トイレ独立>

6畳 + シャワーブース + トイレ(バスタブなし)・・・・48.1%

6畳 + バストイレ一緒(バスタブ有り)・・・・・・・・・・・・・33.6%

 

この比較では、浴槽がなくシャワーブースだけだったとしても、

トイレが独立しているほうが重視されていることが分かります。

 

以上3つの調査結果から、入居者から選ばれる物件の特徴が

ぼんやりと見えてきたのではないでしょうか。

 

上位全ての設備を完備している物件を探し出すのは難しいかも

しれませんが、一つでも多く人気の設備が完備されていれば、

空室リスクを軽減する事ができるはずです。

 

投資用マンションを検討する際には、価格、立地、利回りだけではなく、

入居者のニーズを掴んでおくことが、入居率の高いマンションを購入

することへの近道になるのではないでしょうか。