不動産の基礎知識

2018-06-22

お客様からよく頂くQ&A!不動産価格はどうやって決まっている!?

今回は、お客様からの質問が最も多い「不動産価格の設定」

について、解説を交えながらご紹介したいと思います。

 

「どうやって価格は決めているのですか?」

「この不動産価格は適正ですか?」

 

この質問、本当に良く頂きます。

 

金額が大きいだけに、その価格は本当に適正なのか、

法外な価格で売りつけられていないだろうか、と不安

になるのは当然です。

 

提示された価格が適正価格なのかをネットの査定サービス

などで判断される方もいらっしゃいますが、何を基準に価格

が設定されているのかも分からずにネット情報だけで判断する

のは危険です。

 

どのように価格が決められているのか、その過程を知った

うえで、査定サービスを活用するようにして下さい。

 

では、順を追って解説して行きます。

 

不動産価格は対象不動産によって計算方法が異なります。

 

新築マンションであれば、建築コストやエリアなどを

考慮し、建物を建てたデベロッパーが価格を決めます。

 

家賃も物件価格も中古と比較すると高く、利回りが低いため、

節税対策をメインに検討される方が多く見受けられます。

 

対して中古物件は、「収益還元法」という計算で算出されます。

 

対象の不動産から一定期間(通常は1年間で計算)得られる

であろう収益を、市場の相場利回りで割り戻すという計算式です。

 

例えば、賃料80,000円、物件周辺の相場利回りが4.7%

だとしましょう。計算式は下記の通りとなります。

 

80,000円×12か月÷4.7%=20,425,531円

 

この価格が「適正に近い」と考えられます。

 

「相場利回り何て素人に分かるの?」と思われるかもしれませんが、

相場利回りについては、ホームズの「見える!賃貸経営」を参考に

すると良いかもしれません。

 

気になるエリアを選択すれば、

「想定利回り」を確認する事ができます。

 

この適正価格に立地条件や需要を加味し、不動産会社で適正価格を

算出したら、次は金融機関に融資評価を依頼します。

 

実は、不動産価格は不動産会社だけで決めているわけではありません。

 

価格設定をする上で最も重要になって来るのが、

金融機関による融資評価です。

 

金融機関がその物件に対して、いくらまで融資可能かどうかも、

価格設定の基準になってきます。

 

先ほどの計算式で、適正価格が2,040万円だった物件を、

不動産会社が2,500万円で販売したいとしても、融資評価が

2,050万円だった場合、評価の出ていない残り450万円を

購入者が自己資金でカバーしないと購入できない、という事になります。

 

では、金融機関はどのように融資評価を出しているのでしょうか?

 

金融機関も同じく、収益還元法と立地条件などを加味して評価を

出していますが、想定利回りやその他の条件は、金融機関独自の

基準で算出されるため、不動産会社が算出した適正価格との間で

価格差が生まれます。

 

また、郊外の物件となると、そもそも融資評価をしない事がほとんどです。

 

投資家からすれば、「利回り高いのに!?」

と思われるかもしれませんが、利回りだけを基準にしてはいけません。

 

金融機関は総合的に判断をしています。

 

住みたい需要、買いたい需要が高い、人気のある場所なのか、

取引が活発に行われているのか、将来的に収益性は見込める

のか、などを総合的に判断し評価を出しています。

 

東京に人口が集中し、今後も増加が予測されている現代において、

郊外の物件は20年30年後の収益性が見込めないという判断です。

 

また、収益性が見込めないと言う点では、ファミリーマンション

も同等の判断がされています。

 

よく、「ファミリータイプとワンルームどちらが良いのでしょうか?」

「ファミリータイプの取り扱いはありますか?」というご質問も頂く

のですが、投資用不動産ローンを利用しての購入は難しいのが現状です。

 

賃料、利回りが高く、一度入居者が決まれば長く住んでもらえる

確率が高いため、ファミリータイプへの投資を検討される方も

いらっしゃいますが、このメリットが最大のリスクになるのが

ファミリータイプです。

 

入居が決まれば長く住んでもらえますが、一旦空室になると、

次の入居者が決まるまでかなりの時間を要する傾向にあります。

 

その間、家賃収入はゼロです。

 

ローンを組んで購入した場合、

長期の空室は大きな損失を被ることになります。

 

この空室リスクの高さを考慮し、投資用不動産ローンの対象外

としている金融機関が大半です。

 

セカンドハウスローンを利用しての購入は可能ですが、投資用

不動産ローンと比べ金利は高く、選択肢も少ないのであまり

おすすめは出来ません。

 

都心のワンルームであれば、融資評価も高く、多くの金融機関

が取り扱っていますので、選択の幅も広くとれます。

 

融資評価が高いという事は、それだけ収益性に優れ、

将来にわたって安定的に運用して行くことが期待できます。

 

この様に、売り手も買い手も売買しやすい価格設定をするにあたり、

金融機関の評価は非常に重要な役割を担っています。

 

現金で購入する場合はこの限りではありませんが、

ローンを利用しての購入は金融機関も間に入って

いますので、安心して取引して頂ければと思います。