マンション投資のポイント

2018-01-19

2023年をピークに世帯総数減少!?将来推計から考える不動産投資

少子高齢化が進むなか政府は、公的年金を受け取る年齢について

受給者の選択で70歳超に先送りできる制度の検討に入りました。

 

受給開始年齢を遅らせた人は毎月の受給額が増え、

70歳超を選んだ場合は、さらにその額が増えます。

 

それにしても、「少子高齢化」という言葉を聞くように

なってからずいぶん経ちます。

 

1990年の「1.57ショック」を契機に、政府は様々な少子化対策

を行ってきましたが、なかなか歯止めを掛けられていないのが

現状のようです。

 

先日、国立社会保障・人口問題研究所が発表した

「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」にも、

それが如実に表れていましたので、ご紹介します。

 

ポイントとして、以下4点が挙げられていました。

 

1.世帯総数は2023 年をピークに減少開始、平均世帯人員は減少が続く

2.「単独」「夫婦のみ」「ひとり親と子」の割合が増加

3.世帯主の高齢化が進み、65 歳以上の高齢世帯が増加する

4.高齢者の独居率が上昇

 

もっと明るい将来予測が出来ないものか、と言いたくなる結果ですが、

2015年の国勢調査を基に弾き出された数字ですので、これがこの先

の日本を待ち受ける現実のようです。

 

さて、不動産投資の観点からみると、「世帯総数の減少」と

「単独・夫婦のみ・ひとり親と子の増加」は見逃ません。

 

世帯数の減少は「空室」に直結する一大事です。

 

不動産は入居者がいてはじめて成立する投資です。

卓上の計算では優良物件でも、入居者がいなければ

その投資は失敗です。

 

世帯数が減少するということは、この「空室リスク」が

必然的に上がることを指します。

 

既に投資用不動産を所有していて、「空室」に頭を抱えている

という方は、所有している不動産が本当に入居者からニーズの

ある物件なのかを見直してみる必要があるでしょう。

 

LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)の賃貸用住宅の空室率

をみてみると、1/18現在の空室率は全国平均が21%。

 

47都道府県別にワースト3とトップ3も見てみましょう。

 

【ワースト3】

1位 福井県(30.1%)

2位 山梨県(28.2%)

3位 長野県(27.7%)

 

【トップ3】

1位 沖縄県(11.7%)

2位 東京都(14.5%)

3位 佐賀県(15.7%)

 

ちなみに、三大都市である大阪府は20.1%(21位)、

愛知県は16.1%(5位)でした。

 

少し前のデータとなりますが、同じく国立社会保障・人口問題研究所が

2014年に発表した『日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)』を

みてみると、2010年から2035年まで、ほとんどの都道府県の

世帯増加率がマイナスに転じるのに対し、東京都はプラス3.6%の

増加が予測されています。

 

いま現在、地方都市の物件を所有されている方は、

今後の人口動向にアンテナをはり、先手を打った方

が良い状況まで来ているかもしれません。

 

また、「単独・夫婦のみ・ひとり親と子」の増加も、

不動産を所有するうえでは、非常に重要な情報です。

 

不動産投資といえば、新築か?中古か?からはじまり、区分か1棟か、

はたまた戸建なのか、ワンルームなのか、ファミリータイプなのか、

投資タイプは様々です。

 

ここで考えておくべきなのは、単独世帯や二人世帯が増えて行く中で、

はたしてファミリータイプの物件に投資しても良いものかどうかです。

 

投資的観点からこの予測をもとに考えれば、答えは「NO」です。

 

ファミリータイプへの投資は、

いたずらに空室リスクを高めるだけです。

 

また、高齢者の独居率の上昇も相まって、ファミリータイプよりも

ワンルームや1LDKのニーズが高まるのは間違いありません。

 

少しリスクが高まるかもしれませんが、このようなシニア世代を

狙って投資物件を所有するのも、時代を鑑みれば一つの戦略に

なるかもしれません。

 

今ではシニア・高齢者歓迎の物件特集が組まれていたりもするので、

既に不動産投資をスタートされている方は、リスク分散の一つとして、

このような物件を所有してみるのも良いかもしれません。

 

しつこいかもしれませんが、不動産投資は入居者がいて

はじめて成立する投資です。

 

利回りなどの卓上の数字ばかりに拘って、肝心の入居者ニーズを

疎かにしては、不動産投資は必ず失敗します。

 

まずは人口が集中しているエリアを選定し、アクセスが良く、

利便性の高い立地、設備仕様が時代のニーズに合っている物件を

選定すること、これが何よりのリスク回避になるのではないでしょうか。