マンション投資のポイント

2014-09-21

マンション経営の生命線~物件選定のポイント

弊社では、これまで東京と大阪を中心に、合わせて109回セミナーを開催し

てきました。その全ての開催においてご参加いただいたお客様にアンケート調

査のご協力をお願いしております。そのアンケート調査で最もチェックの多い

項目は『物件の選び方について教えて欲しい』という項目です。

 

そこで今回は弊社の仕入れ担当者がどのような流れで、また、どのような事に

気をつけて物件を選定しているかについてお伝えします。

 

弊社には毎日、都内の不動産会社からインターネットなどに公開される前の

「非公開物件情報」が提供されます。基本的にはこの非公開情報の中から絞り

込みをかけて、物件選定をしております。

 

まず、第一段階は書類選考です。不動産会社からは販売図面で情報提供がされ

ます。その販売図面を見て、以下の点について検証します。

 

・価格(周辺相場と比較して条件良く紹介ができるかどうか)

・立地(駅からの距離や、安定して賃貸需要が見込めるエリアかどうか)

・物件の規模(総戸数が20戸以上あるのか、エレベーターが設置されている

かどうか)

・家賃(周辺相場と比較して高いのか低いのか)

・新築時の分譲会社(分譲会社によっては、金利の低い提携金融機関が使えな

い可能性があるため)

・ローン評価(物件を担保に販売価格の100%~95%の融資を受けられる

かどうか)

 

これらの条件をクリアしなければ、次の選考には残れません。

 

例えば、立地が良くても、物件の総戸数が20戸を切っている場合は提携金融

機関が使えない事もあるので、弊社ではそのような物件の仕入れを行っていま

せん。また、家賃についても周辺相場より高く貸せているからといって、高値

で仕入れるということもありません。あくまでも周辺相場の家賃で算定した価

格で仕入、適正な価格で販売をするということです。

 

この第一段階をクリアした物件が次の第二段階に進んでいくという訳です。ち

なみに仕入担当曰く、ここまでの段階で8~9割は選考から漏れてしまうとの

事です。

 

第二段階としては、実際に現地に視察に行きます。その際、気をつけるポイン

トは以下の点です。

 

・エントランスホールやメールボックス周辺(綺麗に管理(掃除)されている

かどうか)

・建物の外観全体やバルコニー面(外壁がタイル貼りかどうか、バルコニー面

と隣の建物との間隔)

・周辺環境(駅までの距離、物件周辺の生活環境)

 

まず、マンションの顔といえる『エントランスホールやメールボックス周辺』

に関しては、建物管理会社の姿勢や入居者の属性をある程度見極める事が出来

ます。たまにエントランスホールやメールボックス周辺が散らかっている物件

がありますが、それだけでもずさんな建物管理がされていると言う判断で大幅

な減点です。そもそも、借り手があってのマンション経営ですからマンション

の顔といわれるエントランスホールやメールボックス周辺で入居希望者に嫌悪

感を抱かせる物件は人気がないと判断しています。

 

次に『建物の外観全体やバルコニー面』などをチェックします。建物の外観全

体については、全面にタイルが貼られているマンションかどうかという事です。

 

これは、金融機関の融資の問題が大きく関わってきます。金融機関は、いわゆ

る「吹き付け」や「コンクリート打ちっぱなし」のマンションには融資をする

事に難色を示すからです。

 

理由としては、これらの物件は大規模修繕にかかるコストがタイル貼りの物件

と比較すると高くなる傾向があるからです。ごくまれに、マンションの正面だ

けはタイルを貼っており、側面や後面は打ちっぱなしというマンションもあり

ます。(関西方面の物件では結構多いです)現地を視察した際には、マンショ

ンの全面がタイル貼りかどうかという点は必ずチェックをします。

 

また、バルコニー面に関しては、仕入れ検討している当該住戸が1日を通じて

暗いと思われるほど周囲の建物が迫っていないかという点を必ずチェックしま

す。昼も夜も部屋が薄暗い物件はやはり借り手から敬遠されがちなので、この

ような物件も避けます。

 

次に『駅からの距離や物件の周辺環境』をチェックします。駅からの距離に関

しては、資料で「○○駅徒歩○分」と記載があっても、必ず物件から最寄り駅

までは歩きます。

 

なぜなら、不動産の取引では一律に1分=80mと表記されてしまうからです

。しかしながら、人間の体感はそこまで単純ではありません。仮に駅徒歩5分

の物件でも急な上り坂を通る物件では実際には5分以上に感じる事もあります

し、逆に駅徒歩10分の物件でも商店街の中を通り抜ける物件であれば、体感

はそれほど長く感じない事もあります。

 

体感時間が著しく表記時間以上に感じる物件は評価を下げますし、短く感じる

物件については評価を上げる事もあります。また、周辺環境については、物件

の近くにコンビニがあるかどうかは必ずチェックをします。

 

その上で、クリーニング店や食事処、深夜まで営業をしているスーパーがあれ

ば、尚良しという感じです。現地視察ではこのような点をチェックして、物件

を絞り込みます。しかし、この段階で残った物件を全て弊社で仕入れるかとい

うとそうではありません。最後にもう一段階、ふるいにかけて判断をします。

 

最後の段階としては、以下の点について確認します。

・賃貸借契約の内容

・建物管理の詳細

 

『賃貸借契約書の内容』については契約期間や敷金等の状況(仕入れた際にス

ムーズに敷金等を移行できるか)、退去の際の決めごと(原状回復費用につい

て)などを確認します。

 

『建物管理の詳細』については、建物管理会社から重要事項調査報告書という

書類を取り寄せ、修繕積立金が適正に積み立てられているか、管理費、修繕積

立金の滞納や改定予定の有無などを確認します。

 

大まかではございますが、以上のような流れで弊社の仕入れ担当者は物件を厳

選してお客様にご紹介しております。

 

今回お伝えした事の全てをお客様が行う事は不可能かもしれませんが、物件選

定は「マンション経営の生命線」だと思います。出来る限りの事は行って頂き

、間違いない物件を選ぶ事が、マンション経営の勝組になる非常に大切なポイ

ントだと思っております。