不動産の基礎知識
2014-04-04
不動産にまつわる5つの価格
3月18日に国土交通省より、2014年の公示地価が発表されました。
全国では住宅地が前年比0.6%、商業地が0.5%の下落となりましたが、
いずれも下落幅は縮小し、上昇地点の割合は全国的に増加。
特に3大都市圏では住宅地で1/2、商業地で2/3の地点が上昇しました。
不動産の価格は公示地価も含め、一物四価とも一物五価とも
言われ1つの不動産に対して、5つの価格があります。
『実勢価格』『公示地価』『路線価』『固定資産評価額』で一物四価、
『基準地価』を入れて一物五価と言われています。
日本において、土地の価格が一つでないのは、国や地方自治体、
売主や買主などが、それぞれ違った視点や尺度から土地の価値
を評価(判定)しているからです。
では、このそれぞれの価格がどのようにして算出されているのかを
順番に見ていきたいと思います。
①実勢価格
読んで字のごとくですが、実際に取引される価格です。
売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格を言います。
②公示地価
土地取引などの基準となる価格で、国土交通省が地価公示法に基づき
毎年調査し1月1日時点の1平方メートルあたりの価格を3月に発表
しています。この価格は、都市計画区域内に設定されている基準地点
を不動産鑑定士が調査(売買の取引状況や家賃収入など)、その調査結果
をもとに土地鑑定委員会が公示地価を決定しています。
この価格は、一般の土地取引の指標ともなるほか、公共事業用地取得
の際の補償金算定の目安にもなっています。
③路線価
贈与税・相続税の算定の為の基準として、国税庁が毎年8月に発表を
する価格で、不動産鑑定士などの意見価格をもとに算出された主要道路
に面した宅地の1㎡あたりの価格となります。平成4年以降は公示地価
の概ね80%を目安に決められています。
④固定資産税評価額
固定資産税を賦課する為の基準の価格となり、各市町村が登記をもとに
固定資産税台帳に登録された土地、建物の現況にあわせて算出しています。
この価格は、3年毎に評価が見直されていますので、不動産価格の上昇
や下落の節目に近い時期では、実際の価格より割高・割安になる事が稀に
あります。また、原則として評価額はその土地の所有者のみに公開されます。
⑤基準地価
国土利用計画法に基づき、毎年9月に各都道府県から発表されます。
公示地価と同様に土地取引の指標となる数値で、宅地以外の林地も
含んだ価格となります。
価格の目安としては、実際に取引されている価格である実勢価格は売手・買手
の思惑などにより同じ不動産であっても価格の変動がある為、別にして公示地価
を100とした場合
100——–公示地価
80———路線価
70———固定資産税評価額と言われます。
以上のように、不動産には様々な価格が存在しますので、投資用マンションを
購入する場合でも、相続対策であるならば『路線価』、収益目的での購入であれば
『固定資産税評価額』と、目的によって売買価格以外の価格も知っておいた方が
検討されるうえで有利に働くこともあります。
購入をご検討される際には、このような価格も一つの
指標にしてみてはいかがでしょうか。