不動産の基礎知識
2014-01-17
売買契約を締結するまで
今回は、一般的に物件の売買契約を締結するまでの
流れについて、ご紹介させて頂きます。
物件の立地条件や収支等、気に入った物件に出会い、購入する決意が固まった
ら、まずは『購入申込』をします。
この申込は、買主の購入の意思表示であり、売買契約ではありません。この申
込をする事によって、購入物件の販売を止める事ができます。販売を止める事
が出来れば、他の検討者に先を越されるという心配がなくなります。不動産投
資をご検討されている方、もしくは既に始められている方の中には、数時間の
差で希望の物件が買えなかったという苦い経験をされた方もいらっしゃるので
はないでしょうか?
中古とはいえ、不動産は金額が大きい買物なので、結論を無理に急ぐ必要はあ
りませんが、購入する事を決めてからは早めの行動が重要です。
但し、一点だけ注意点があります。
それは、購入申込をした日からクーリングオフが適用されるという点です。不動
産の購入は、「契約をしてから8日間」ではなく「購入申込をした日から8日間」
ですのでご注意下さい。
※不動産会社からクーリングオフ出来る旨の説明とその方法を書面で告げられ
ていない場合はその限りではありません。
購入申込は不動産会社によって異なりますが、一般的には『不動産購入申込書』
に記入することで申込となります。書面には、購入する物件名や部屋番号、金
額等が記載してありますので、十分確認するようにしてください。
購入申込の際に、契約日時や手付金、最終金の支払金額や購入方法、契約時に
持参する書類や資金等について確認します。
その後、売買契約を締結します。
売買契約書に署名・捺印をする前には、必ず『重要事項の説明』を受けます。
この説明は国家資格である宅地建物取引主任者のみが行える業務で、説明に先
立ち宅地建物取引主任者が主任者証を提示するのが義務付けられています。
もしも提示されなければ必ず提示を求めてください。提示しなかった場合は
宅地建物業法違反となり、その不動産会社は処分の対象となります。
重要事項の説明は、その名の通り契約をするか否かを判断する重要な説明です。
また、説明後には重要事項説明書に記名捺印を行いますが、これは「重要事項
の説明を確かに受けました」という証明の為です。
そもそも重要事項説明書とは、「そんな事は聞いていない!」を防ぐために作
成されている書類でもあります。聞き漏らしや聞いたけどよく理解をしていな
かったなど、契約後に「そんな事は聞いていない」等の訴えをしても、一般的
には認められないケースがほとんどです。
説明の中で不明点があれば中断してでも必ず確認し、一語一句聞き漏らさない!
位の意気込みで臨んでください。
重要事項の説明は主に、取引対象不動産の権利関係、取引対象不動産に係る法
令上の制限、取引対象不動産の状態やその見込み、契約の条件等を事項として
います。特にローンを利用して購入する場合は、ローン特約と言われる部分に
ついて、しっかりと確認してください。
重要事項の説明後、納得できれば署名・捺印となります。
その後、契約書の読み合わせを行い、署名・捺印・手付金等の授受を行います。
契約書には物件の価格、手付金や頭金の金額、ローン金額と物件の引渡し期日
について記入してあります。
ローンを利用して購入する方は、重要事項の説明、契約書の読み合わせ後に
ローン申込書類等への記入、捺印等もあります。
以上が売買契約を締結する際の流れとなりますが、契約を締結するまでには注
意して確認をしなければならない事項が上記以外にも多々あります。
「えっ~まだあるの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、このよ
うな煩雑な作業をクリアにする為にも、信頼出来る不動産会社、営業マンに出
会う事も大切な事なのかもしれません。