不動産の基礎知識
2012-02-24
『不動産投資におけるパートナー選びの重要性』
『不動産投資におけるパートナー選びの重要性』
中古マンションが売りに出されているということは、現オーナーさんが何かし
らの事情があって物件を手放しているということになります。
もちろん納得された上(価格・状況)で売却される方もいらっしゃいますが、
以下のようなことが原因で、不満を抱えたまま売却される方が多くいらっしゃ
います。
・購入時の説明と現実の運用が乖離していて、期待していた効果が得られない
・リスク説明が不十分だったため想定外の負担が発生した
・問題発生時に相談ができる相手がいない
このような人災ともいえる理由で売却してしまう方がいるということは、不動
産投資に携わる者として残念であり、是正されるべきことだと思います。
そこで当社は、お客様が納得するまで十分な説明をし、かつ適確な表現でメリ
ット・デメリットを伝えるということを、セミナーや個別面談を通して徹底し
ています。
また、アフターフォローに関しても同様に力を入れており、長期に渡るマンシ
ョン経営をお客様と二人三脚で進んで行く姿勢で取り組んでいます。
ここでひとつ、あるお客様とのエピソードを紹介します。
そのお客様は宮城県にお住まいの50代の方で、2年前に東京のマンションを
投資用で2部屋購入されました。投資目的は年金対策と生命保険です。
特に、もし自分に何かあった時に妻と2人の娘にマンションを残せたらと、団
体信用生命保険の効果に魅力を感じていました。
「俺が儲かる分は長生きした時と戻ってくる税金分だけだな。でもそれで良い
んだ、娘に残るから。」
と、笑いながら話してくれたことを今でも鮮明に覚えています。
この方のマンション経営のプランは、3件、4件と数を増やしていくというよ
りも、繰上げ返済をして早めに収入源にしていこうというものでした。
転機が訪れたのは昨年の東日本大震災。
そのお客様も宮城県在住のため被災されました。心配になり何度も携帯電話に
連絡しましたが、通話規制等で全くつながらず、やっと連絡が取れてご本人、
ご家族ともに無事ということがわかったのは、震災から10日くらい経ってか
らでした。
その時は安否確認だけで終わったのですが、後日少し落ち着いたからと連絡を
いただいた時に、実は自宅が浸水し、3台あった車はすべて流されてしまった
ということを聞きました。
その状況を聞いた時、私はうまく言葉が出てこなかったのですが、
「大変だけど下向いてばかりじゃダメだから、皆で頑張ろうって決めたんだよ。」
と、決意をおっしゃってくれた時はとても胸が熱くなりました。
2か月ほど経ち、次に来た連絡は思いがけない内容でした。
「マンションを増やそうと思う。やっぱりこういうことになって、自分に何か
が起きた時に家族に残る資産だと再認識した。今持っているマンションの繰り
上げも考えるけど、ローンを組めるうちに数を増やせるプランがあれば教えて
ほしい。」
話を聞くと、避難生活という今までと180度違う生活を送らなくてはいけな
い中で、安定した収入源があるのはとても大きいと感じたとのことでした。
それからは、ご自宅や職場の復旧に時間を取られる中で少しずつ打ち合わせを
重ね、約5カ月後にもう1件購入されることになりました。
特殊な状況下でしたのでいろいろと苦労はありましたが、引き渡しが無事に終
わった時は、お客様も私も自然に笑顔があふれだしました。
今後はもう1件増やして、娘さんに2戸ずつ残すのが目標とのことです。
そして、そのお手伝いをすることが私の目標です。
この件を通じて感じたのは、お客様の状況やお考えは当然に変化をするもので、
それは社会情勢や今回のような天災などによっても影響を受けるものだという
ことです。
そのような変化に対応して、よりよいご提案をしていくことが私たちの使命で
ありますが、それと同時に、状況やお考えが変わった際に真っ先に相談してい
ただけるような信頼関係を築いていくことが大切だと感じました。
これは、私たち業者側の立場だけのことではなく、お客様側である皆様にも当
てはまることだと思います。
ただ単に物件の紹介をするだけで、購入後に関係が途切れてしまうような業者
と付き合うのではなく、長きに渡って付きあえる、いつでも相談できるパート
ナーを選ぶことが大事です。
他の人よりも安く物件が購入できれば、それはそれで良いかもしれません。
しかし、マンション経営は長期的に渡る運用です。物件の良し悪しだけではな
く、安心して任せられ、相談ができるパートナー選びにも重点を置いていただ
きたいと思います。
そして、私たちは皆様にとって良いパートナーになれるよう努力するのみです。