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2015-08-21

予定通り厚生年金保険料がアップ!でも、将来受け取れるのは?!

先月末、日本年金機構は平成27年9月分からの厚生年金保険の保険料率を、

予定通り0.354%引き上げ17.828%とすることを発表しました。

 

毎月の給料から何がいくら天引きされているのかを日頃から気にされている方は

ご存知かもしれませんが、この保険料率は、保険料を計算する際の基礎の数字で、

平成16年以降0.354%ずつ引き上げられ、平成29年9月以降は18.3%に固定

される予定です。

 

保険料率の推移は下記の通りとなります。

 

平成16年 13.934%

平成17年 14.288%

平成18年 14.642%

平成19年 14.996%

平成20年 15.350%

平成21年 15.704%

平成22年 16.058%

平成23年 16.412%

平成24年 16.766%

平成25年 17.120%

平成26年 17.474%

平成27年 17.828%

※厚生年金保険の額は、標準報酬月額×保険料率で計算され、

事業主と被保険者で半分ずつ負担します。

 

例えば、諸手当を含めた月給が35万円の人の場合、毎月の給料から天引き

される保険料額は、平成16年から平成29年まで毎年620円づつ値上がり

していきます。

 

すると、平成16年の保険料は24,384円だったのが、保険料率が固定される

平成29年の保険料額は7,641円の値上がりで32,025円となります。

 

給与明細のなかで値上がりしているのは税金だけだと思われている方も

いらっしゃるかもしれませんが、厚生年金保険額も毎年値上がりしています。

 

また、現時点では平成29年で固定するとしていますが、

あくまでも”予定”であり、さらなる引き上げも考えられます。

 

では、支払った保険料額に相当する年金を、

私たちは将来受け取ることができるのでしょうか。

 

内閣府経済社会総合研究所の調査によると、1960年以降の生まれの人は、

生涯保険料が生涯年金受給額を上回り、純受益はマイナスの一途をたどり、

最も損をするのが1985年生まれの人で、純受益は-713万円という調査結果

になっています。

 

★生涯保険料  ●生涯年金受給額  ■純受益 

1955年  ★1,876万円  ●1,877万円  ■+1万円

1965年  ★1,996万円  ●1,579万円  ■-417万円

1975年  ★1,946万円  ●1,359万円  ■-587万円

1985年  ★1,978万円  ●1,265万円  ■-713万円

1995年  ★1,797万円  ●1,122万円  ■-675万円

2005年  ★1,559万円  ●975万円    ■-584万円

2015年  ★1,340万円    ●839万円    ■-501万円

 

この調査以降に年金受給開始年齢の引き上げや納付期間の延長などの

検討が始められていますので、それらを加味すると、純受益予想は

さらに悪化すると考えられます。

 

いまの時代、年金制度を当てにするということは、自分自身の老後

を破綻させる危険性を十分に孕んでいます。

 

年金を当てにするのではなく、自ら能動的に動き、将来の備えを

自分自身で考え資産形成をしていかなければなりません。

 

その手法は貯金なのか、投資なのか、

それも自分自身で決めなければなりません。

 

ただ、このような時代背景もあり、雑誌などではよく資産運用特集

が組まれ、様々な投資手法の書籍が数多く販売されています。

 

ご自身、そしてご家族の将来にとって、どのような投資手法が

最適なのかを考えるうえで検討材料は数多くあります。

 

焦らずじっくりご自身のライフプランをしっかり描いた

うえで、投資をスタートしてみてはいかがでしょうか。