マンション投資のポイント

2017-09-08

資金効率と投資効率を考えるなら自己資金は抑えめに!?

東日本不動産流通機構がまとめた7月の首都圏中古マンション

の流通動向よると、成約件数は3,304件で、前年同月比は

+3.6%。成約価格は1平米あたりの単価、成約価格共に

2013年1月から55ヵ月連続で前年同月を上回りました。

 

不動産投資を検討、実践されている方にとって、不動産の

流通動向と経済情勢は非常に気になるところではないでしょうか。

 

価格の上昇が続く不動産市場、そしてマイナス金利政策による

超低金時代の到来。

 

ほんの数年前と比べると、投資用マンションローンを扱う金融機関

は増え、少ない自己資金からでも融資が受けやすくなっています。

 

「不動産投資」や「マンション投資」といったフレーズを

インターネットで検索すると、「頭金0」のような文言を

目にすることも多いと思います。

 

このようなフレーズを目にすると、まとまった資金がなくても

不動産は購入できるのだな、と思われる方も少なくありません。

 

しかし、融資を受けて不動産投資を始めるにあたり、単に

まとまった資金がないから、といった理由だけではありません。

 

そこで今回は、購入事例を交えながら融資を受けるメリット

と、その姿勢についてお伝えしたいと思います。

 

不動産投資の魅力の一つとして注目されるのが、レバレッヂ

(てこの原理)を効かせた運用ですが、少ない資金からスタート

することによって、その効果をより享受することができ、

資金効率や投資効率も良くなります。

 

では、本当にレバレッジを効かせることで投資効率が

良くなるのでしょうか?

 

実際にご購入頂いたA様の事例をもとに見ていきましょう。

 

A様は、先月8月に弊社主催のセミナーにご参加頂いた

46歳の大手メーカーにお勤めの男性で、いま現在の生活には

余裕があるが、定年後のことを考えると何か投資をした方が

良いのではないか、という思いのなか不動産投資を検討しており、

そのうえで、まとまった資金を投下するべきか、分散するべきか、

とのご相談を頂きました。

 

不動産投資を実践するにあたり、

所有する目的と目標は非常に重要です。

 

運用プランをご提案する弊社としても、そこが明確に

ならなければご提案することもできません。

 

そこで、A様のいま現在の生活状況をヒアリングし、他のお客様

の事例などをお話しさせて頂いたところ、定年後に年金+αで

15~20万円の収入を得たい、という目標が決まり、1戸目の

購入プランは、2戸目3戸目を視野に入れながらの提案となりました。

 

そのなかで選ばれた物件は、大江戸線・東西線の両線が利用でき、

アクセスの良さで人気が高まっているエリアの築浅物件です。

 

物件価格  : 23,100,000円

手取家賃  :  1,010,400円(84,200円×12か月)

固定資産税 :     60,000円

不動産取得税:    140,000円

 

この物件をA様は融資を受けて購入されましたが、

まずはこの物件を現金で購入した場合を見てみましょう。

 

【現金購入】

(初期投資額)

物件価格  : 23,100,000円

登記費用  :    200,000円

不動産取得税:    140,000円

初期投資額 : 23,440,000円

 

(年間収入)

手取家賃    :1,010,400円

固定資産税   :   60,000円

キャッシュフロー:  950,400円

 

CF÷初期投資額×100=4.05

 

初期投資額に対する利回りは4.05%となり、一見すると低い

ように見えるかもしれませんが、初期投資額と同額を0.020%

の定期預金で運用した場合、年間の利息は4,688円(税引き前)

となるので、銀行預金と比較した場合は、しっかりと利回りを確保

できることが分かります。

 

次に、A様の事例を見てみましょう。

 

この物件の収支が良いことから、最少額の100,000円から

スタートして繰上げ返済を進め、手元にある資金は今後の購入を

見据え、手元に残すご提案させて頂きました。

 

お客様の年齢が46歳だったため、

最大のローン年数は34年となります。

 

【A様の事例】

ローン年数:34年

金利   :1.65%

 

(初期投資額)

頭  金  :100,000円

登記費用  :500,000円

不動産取得税:140,000円

初期投資額 :740,000円

 

(月々の収支)

返済額 :73,694円

手取家賃:84,200円

収  支:10,506円

 

(年間の収支)

収支年計    :126,072円

固定資産税   : 60,000円

キャッシュフロー: 66,072円

 

CF÷初期投資額×100=8.92

 

初期投資額に対する利回りは8.92%となり、

少額の資金をより効率的に運用できることになります。

 

初期投資額の回収に必要な期間は、現金で購入した場合

4.05%となるので、24.5年ですが、ローンを利用

することで、8.92%=11.2年で回収が可能となります。

 

そして1戸目のご成約後、タイミングよく山手線沿線の物件

情報が入ったため、早速その情報をA様にお送りし、その翌日

には物件まで足を運んで頂きました。

 

外観や物件の管理状況、周辺の住環境などを確認し、

物件の収支は1戸目と比べて低かったのですが、

立地条件や物件そのものを気に入って頂けましたので、

自己資金70万円で購入して頂きました。

 

今回、1戸目から2戸目のお申し込みまで約2週間と、

スピード感のあるスタートとなりましたが、A様も

仕事の合間を縫ってお時間を作ってくださり、2週間

と言えども、今後の運用プランなどを密に打ち合わせ

ることができました。

 

また、何度繰上げ返済を行っても手数料が無料の金融機関を

選定して頂きましたので、引き続き良い運用プランを

ご提案させていただければと考えております。

 

今回のケースの様に、例えまとまった資金がお手元にある場合

でも、3戸目4戸目の資金や繰上げ返済のために手元に

残すことで、資金効率が良くなりなり、物件を買い進める

際に検討がしやすくなります。

 

まとまった自己資金があるのであれば、まずは最小限の

資金からスタートし、どのタイミングでどこに資金を投下

するのかを運用しながら検討することで、リスク分散・軽減

をある程度自分でコントロールすることが可能です。

 

とは言え、現金で不動産を購入することはお勧めできない、

ということでは決してありません。

 

出口戦略として、市場動向をみて売却し、利益を確定する

投機目的のプランをお持ちの方や、相続税対策として不動産

を検討される方もいらっしゃいます。

 

不動産投資に求めることは人ぞれぞれです。

 

大切なのは、ご自身が求める、ご自身に合ったプラン

をお持ちになることです。

 

現在は、金利が史上最低水準ということや、各金融機関の

融資に対する門戸の広さなどを考えると、あえて資金を

分散しレバレッヂを使い投資する、という戦略も有効な

投資方法ではないでしょうか。