マンション投資のポイント

2016-11-11

東京23区資産価値ランキングと入居者から選ばれる物件選定

投資マンションの資産価値を決める最大の要因は「物件の収益性」ですが、

物件選定に当たっては、出口戦略も見据えて「資産価値の落ちにくい物件」

を選定する事も重要な要素となります。

 

「資産価値の落ちにくい物件」は、同時に「収益性の高い物件」

「入居者から選ばれる物件」であるとも言えます。

 

マンション投資最大のリスクと言われている「空室リスク」の

回避のためにも、購入前・購入時の物件選定作業は非常に大切です。

今回お伝えする内容を、物件選定の参考にして頂ければと思います。

 

では、マンションの資産価値を決める要因とは何でしょうか?

 

要因はさまざまあり、耐震性、耐久性、省エネ性など建物の性能、

日当たりや部屋の広さ、管理の良し悪しなどが挙げられますが、

何と言っても、資産価値に最も影響を及ぼすのは「立地条件」と言えます。

 

その「立地条件」のなかで、資産価値が落ちにくい「立地の3条件」

について、ご説明したいと思います。

 

【条件1】交通利便性がよい

都心部には、オフィスをはじめ、グルメやショッピング、余暇を

楽しめる商業施設や文化施設などが数多く存在します。都心部に

近くて出かけやすい、という交通の利便性は、立地の人気を決める

大きなポイントになります。

 

【条件2】生活利便性がよい

日常の生活用品などの買い物や医療機関、金融機関、行政サービス

などは自宅周辺で利用することが多く、このような施設が数多く存在

する駅周辺エリアは人気のエリアとなります。

 

【条件3】街の成長性が高い

街の魅力度が今より増して、将来人気が上がる可能性が高ければ、

当然、資産価値は落ちにくくなります。大型再開発が進行中である、

あるいはその予定や、新駅などの予定があると、今より交通や生活面

での利便性が向上しますので、将来地価が上がる傾向が見られます。

 

以上が、資産価値が落ちにくい「立地3条件」ですが、これは入居者

の目線から見た「住みたい立地3条件」にも当てはまると言えます。

 

ここでSUMO(スーモ)2016年版みんなが選んだ「住んでみたい街」

ランキング上位を見てみたいと思います。

 

第一位 恵比寿

第二位 吉祥寺

第三位 横浜

第四位 武蔵小杉

第五位 自由が丘

 

その他、下記のようなランキング結果が出ています。

 

■路線別ランキング

第1位 山手線

第2位 東急東横線

第3位 中央線

第4位 京浜東北線

第5位 東急田園都市線

 

■行政市区ランキング

第一位 港区

第二位 世田谷区

第三位 目黒区

第四位 渋谷区

第五位 文京区

 

いずれの街・路線も交通利便性、生活利便性の高い駅を多く含む

路線がランクインしています。また、2010年の調査開始当初は15位

だった「武蔵小杉」が着実に順位を上げ、今年は4位にランクインしました。

 

武蔵小杉の目を見張るような成長ぶりはまさに、

再開発によってもたらされたと言っても過言ではありません。

 

2社5路線が利用可能な交通利便性の高さ、2013年頃からは大型複合商業施設

が毎年の様にオープンし、生活利便性は年々上がり、

直近では日本医科大学のキャンパス再編があります。

 

日本医大武蔵小杉病医院があった場所に50階程度のツインタワーを

建設予定で、スケジュール通りに行けば2018年には日本医科大学病院

の建て替えが完了し、2022年にはツインタワーに付随する商業施設が

完成予定です。

 

まさに「武蔵小杉」は、「交通利便性」「生活利便性」「成長性」

の全てを兼ね備えた街と言えます。

 

次に、これら3条件を踏まえながら、マンション価値のひとつの目安となる

「マンションPBR」という指標について、ご説明したいと思います。

 

この指標は、もともとは株価指標であるPBR(株価純資産倍率)を参考に、

東京カンテイが独自にマンションの資産倍率として考案した指標です。

 

<マンションPBRの計算式>

過去10年間の中古マンション平均価格÷同じ期間の新築マンション平均価格=PBR

 

PBRの数値が大きいほど、売却時に価格が下がりにくく、

資産価値を保ち易いと考えられます。

 

例えば、PBRが1を上回り、1.20であれば、マンションの

直近10年間の資産価値は、20%上昇していると言えます。

 

ただし、過去10年間の平均価格を基に算出したものなので、

あくまでも目安の1つである点にご注意ください。

 

リクルートがこのマンションPBRをもとに、都内23区の資産価値の

高い「駅」をランキング化していましたので、上位を見てみたいと思います。

 

【都内23区:平均PBR1.02】

 

第1位  「六本木1丁目」駅(南北線)   PBR 1.56

第2位  「立会川」駅(京浜急行本線)   PBR 1.24

第3位  「外苑前」駅(銀座線)      PBR 1.23

第4位  「御成門」駅(都営三田線)    PBR 1.22

第5位  「四ツ谷」駅(中央線ほか)    PBR 1.20

第6位  「麻布十番」駅(南北線ほか)   PBR 1.19

第6位  「虎ノ門」駅(銀座線)      PBR 1.19

第6位  「品川」駅(山手線ほか)     PBR 1.19

第9位  「池尻大橋」駅(東急田園都市線) PBR 1.18

第10位  「新橋」駅(山手線ほか)     PBR 1.17

第11位  「三越前」駅(銀座線ほか)    PBR 1.15

第12位  「白金高輪」駅(都営三田線ほか) PBR 1.14

第12位  「神泉」駅(京王井の頭線)    PBR 1.14

第12位  「御茶ノ水」駅(中央線ほか)   PBR 1.14

第15位  「西新宿五丁目」駅(都営大江戸線)PBR 1.13

第15位  「東雲」駅(りんかい線)     PBR 1.13

第17位  「市ヶ谷」駅(総武線ほか)    PBR 1.12

第17位  「九段下」駅(東西線ほか)    PBR 1.12

第17位  「高輪台」駅(都営浅草線)    PBR 1.12

第17位  「豊洲」駅(有楽町線ほか)    PBR 1.12

 

山手線の内側や開発が進んでいるエリア、羽田空港に近いエリアが

ランクインしており、「住みたい街」ランキングの上位にランクイン

していたエリアとは異なることがお分かりになると思います。

 

「立地条件」はマンションを選定するうえで、最も重要視すべき条件であり、

購入前・購入時にしっかりと情報収集・調査を行うことによって十分吟味

できるものです。

 

また一方で、購入後に決して変更できるものでもありません。

 

マンション投資の生命線である「安定した賃料=インカムゲイン」は

立地に大きく左右されます。資産価値の落ちにくいエリアの物件調査は、

収益性・換金性、そして入居者の目線、この両面が物件選定の参考に

なると思いますので、皆さん是非ご参考にして下さい。