マンション投資の注意点

2015-11-06

借り換えができない!?先々を見据えた物件選定を!

前回のコラムで借り換えの実例をご紹介したところ、

先日当社で物件のお申込を頂いたB様から、商談の際に、

他社で購入した区分マンションの借り換えについての

ご相談を頂きました。

 

早速、借り換えをするうえで必要な所有物件の詳細や借入状況

についてお伺いし、金融機関に相談をしましたが、残念ながら

当社ではお役に立つことが出来ませんでした。

 

自宅の借入であれば、比較的容易に借り換えが出来ますが、

投資用の区分マンションとなると、状況により様々な制約があります。

 

そこで今回は、借り換えの際の注意点についてお伝えします。

 

資産家の方であれば、お付き合いのある銀行などに相談して、

ご自身の信用力のみで借り換えが可能ですが、企業にお勤めの

会社員の方が、自ら銀行に足を運んで相談に行っても断られる

ケースがほとんどです。

 

前回のコラム(2015年10月16日発行)で、

S様が利用した低利の金融機関も同様です。

 

S様個人が、その金融機関に予備知識がない状態で、借り換えの

相談に行っても、断れていたかもしれません。

 

当社では、低利で借り換えができる提携金融機関をご紹介することが

可能ですが、その金融機関の場合、提携している不動産会社を

通してのみの取り扱いとなり、個人の方が直接その金融機関に借り換え

の相談や申込をする事は出来ません。

 

また、物件の築年数や立地、グレードによっては担保としての評価が

低くなり、借り換えに必要な担保評価が出ず、借り換えが出来ない

場合もあるようです。

 

特に、築古の物件に関しては、評価が出ないケースが多く

借り換えが困難な状況です。

 

ご相談頂いたB様は、築古の物件を所有されており、当社がお役に

立てなかった理由が、まさにこの「担保評価」が出なかったからです。

 

借り換えこそできませんでしたが、B様からお話しをお伺いすると、

実は以前から借り換えをしたいと考えられていたそうです。

 

B様は、その物件を仲介の取引で購入され、比較的金利が高いと

言われている金融機関でローンを組まれていました。

 

そこで、借り換えをしようと購入元の仲介会社に行ったところ、

相談すらのってくれず、どこに相談すれば良いのか分からなかったそうです。

 

仲介会社はあくまでも、売主と買主の橋渡しです。

 

仲介の取引で購入する場合は、賃貸管理や運用などを

買主自ら考え、動かなければなりません。

 

また、仲介会社は提携金融機関が少ないうえ、金融機関との深いつながりが

あるわけでもないため、お伝えした通り、借り換えは困難な状況となります。

 

どうしても借り換えをしたい場合は、時間と労力をかけて、ご自身で

金融機関に直接、相談・交渉をするしかありません。

 

金融機関は、立地条件だけではなく、築年も重要な評価基準としていますので、

築年がある程度経過している物件の場合、評価が出にくい傾向にあります。

 

満足な回答が得られない事もありますので、

それを踏まえてご相談ください。

 

売主物件を購入する場合も注意が必要です。

提携金融機関が少ない会社の場合、借り換え可能な金融機関がなく、

借り換え自体が選択肢からはずれてしまう可能性があります。

 

購入の際には、提携金融機関が多いかどうかの確認も必要です。

 

また借り換えの場合、単純に返済額の差を見るだけではなく、借り換えに

係る費用の計算も大事なポイントになります。一例をあげると

〇一括返済手数料

〇抵当権抹消費用・抵当権設定費用

〇融資手数料・保証料

〇印紙代

〇火災保険費用

 

借り換えを行う際には、借り換えによって変更される毎月の返済額(収支)

の総額が、借り換をしない場合の返済額(収支)の総額より上回るのは

必須ですが、且つ諸費用を加算しても数字的に上回るようであれば、

その借り換えは成功と言えます。

 

支払額が減る事で、空室時や家賃の下落時などに繰り上げ返済を行うのと

同じように、支払額が減る事でリスクを減らす効果もあります。

 

投資用不動産を購入するうえで、利回りも重要ですが、先々を見据えて、

様々な変化に対応できる「物件」「不動産会社」「金融機関」というのも

重要なポイントとなりますので、このような点を踏まえて検討すると

良いかもしれません。